19. ページ21
着信履歴の残った携帯の画面を触らずにいた。
彼の辛さを直接耳にするのが怖かったというのが本音というところだが、それと同時に彼にとって最低の彼女である事に嫌気がさした。
辛い事を2人で共有するのも恋人の醍醐味でしょう？
赤の他人にアドバイスするなら、こう言っているだろうが
自分の話となればそのアドバイスすらも聞き入れる事が出来ないくらいに余裕がない状態だ。
家のドアベルが鳴り、何も考えずドアを開けると
そこには頭に少しの雪を乗せた彼がいた。
「ジェミン、」
JM「…笑」
いれてちょうだい、と優しく声をかけられ
ドアの隙間から、冷気と共に彼が家の中へと入って来た。
彼はいつもと同じように見えたけれど、やはりどこか疲れているようで
ベッドの端によしかかり一息を吐いた。
JM「耳傾けるだけで良いから、聞いて欲しい。」
彼が息を吐いた後に少しずつ話し始めた。
私達の事、そして私が恐れていたあの熱愛記事についての事だった。
JM「難しい話は俺もよく分からないし、考えたくもないけど…
でも、Aの為なら何だって出来るって思っちゃうくらいにね。結構、俺すごいAの事好きだからさ。
これからも、こういう事がないわけじゃないと思うけど
俺の事だけを信じて欲しいなって思ってる。
こんな意味の分からない事で、Aの事を泣かせたくないし
悲しい思いだってさせたくないし…
俺はどこにも行かないし、Aが大好きだよ。」
ゆっくりと耳に入る言葉は、全て彼の色に染められた
優しくて包容力のある魔法みたいだった。
力が入っていた身体は、不思議と力が抜けていくのを感じ
気が付けば彼の手が私の頬を撫でていた。
「…信じてないわけじゃないけど、怖かったの。
ジェミンが辛い思いしているのを、私が全て受け止め切れるのか…こんな事初めてだから、」
分かってるよ、と
そう言って私を優しく抱きしめる彼は
本当はもっと言いたい事があったはずなのに。
私が落ち着くまでゆっくりと背中をさすってくれた。
ふと顔を上げ、彼を見つめると
JM「やっと目が合った…」
そう言って、柔らかく微笑み
私を強く抱きしめた。
息ができなくなるくらいに、強く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 910人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pkpk(プロフ) - よっこさん» よっこさん、コメントありがとうございます✨ 楽しみにしてくださりありがとうございます🙌緩やかな更新ではありますが、お楽しみください💕🙇♀️ (10月11日 21時) (
レス) id: 2aba72ea6d (このIDを非表示/違反報告)
よっこ(プロフ) - 続きにワクワク……ワクワク……(*^^*) (10月11日 15時) (レス) @page7 id: 355773df54 (このIDを非表示/違反報告)
pkpk(プロフ) - おもちさん» おもちさん！コメントありがとうございます🙌 長いお話になりそうですが、お楽しみいただければと思います✨ (9月29日 14時) (レス) id: 2aba72ea6d (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 新作嬉しいです🥺マクドンとの同時系列最高です...！楽しみにしてます🫶♡ (9月17日 0時) (レス) @page4 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pkpk
| 作成日時：2023年9月16日 0時
