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「ガチクッソ眠い」
安「いつものことやん(笑)」
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別に証拠もなければ確認する手段もなく
あの場で話しててもしょうがなかったので昨日はその後解散した
帰ってからも、なんだか妙に考えてしまって
昨日はあまり寝付けなかった
“横山くん”のことが少しも気にならない、と言ったら嘘になるけど
好きかもしれないというだけでこの威力
恋愛って怖いなとしみじみ思った
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「ねえ、普通に考えてみて」
安「うん?」
「顔も知らない、名前を言われても分からない相手に、」
安「おん」
「好かれてるかもしれない、と」
安「おん」
「ありえなくない?普通に」
安「うーん、まぁまぁ、せやな」
「でしょ?」
安「んじゃあ、ありえるとしたら、どういう状況やと思う?」
「えぇ、?」
安「一旦向こうの立場になって考えてみよ」
「うん」
安「授業受けてます」
「はい」
安「可愛い子いました」
「はい」
安「むちゃくちゃタイプです、関わりたいです」
「はい」
安「でも名前を知りません、聞く勇気もありません」
「はい」
安「そしたら偶然、友達がその子の名前を知っていました」
「はい」
安「それから同じ授業を受けるたびに見てしまいます」
「はい」
安「これはもう好きやん、俺」
「…え、いきなり?」
安「そんなもんやって一目惚れなんて」
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ビミョーに納得のいかない章ちゃん理論を聞きつつ
そうか、一目惚れなんて言葉もそういえばあったなぁとも思いつつ
これから来る二人分の席を取られないよう荷物を置いて
授業が始まるのを頬杖をつきながら待った
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作者名:茉咲 | 作成日時:2021年9月18日 14時