story*9 ページ11
夕飯を完食したその日を境に、チラーミィは旺盛な食欲を見せるようになった。
皿に入れたら入れた分だけペロリと平らげるところを見ると、この二週間近くは警戒 して食べるのをずっと我慢していたらしい。
別に何もしないのだから気にせず食べれば良いのにと思いつつ、しかし生き物とはそう上手くいかないものだったなと思い返した。
野生では小さな一つの油断が命取りになることも珍しくはない。
普通、人間に飼われてしまえばその野生の本能は形を潜めるものだが、それをこのチラーミィはずっと忘れる事が出来なかった んだろう。
しかし、一度警戒の幅を緩めたら自分に正直になったらしく、今では鳴き声を上げてはフーズを寄越せと催促してくる。
寄越せ寄越せとうるさいチラーミィにとりあえずフーズを与え、完食したのを見計らってからボールへと戻すとその日はチラーミィを連れて漢方薬屋さんの自宅へと向かった。
「Aだけど、います？」
「おー、いるぞ」
ムーランドのブラッシングをしてあげていたらしい男はポケモン専用のブラシを持ったまま手招きしている。
「お邪魔します」と声をかけてから上がり込み、居間の座布団に腰掛けながらテーブルを挟んだ向かい側にいるムーランドを見やると、俺と一緒にいた時とは違ってとても嬉しそうな顔をしていた。
「それで、どうなった？」
チラーミィを連れて来たと気づいたらしく、男は楽しそうに小さなボールを見ている。
バイトの方に行っていたため知らないここ数日間の変化を男に伝えると、満足そうにうんうんと頷いて見せた。
チラーミィを見せて欲しいという男の要望に答えてチラーミィをなるべく隅っこに出してやると案の定、険しい顔をしたまま辺りを見回しそこからは動かない。
愛らしいはずのチラーミィのクリクリとした目は釣り上がり、しかしやはりチラーミィであるために男らしくとはいかない。
そんなチラーミィを暫く観察してから、男はにっこりと笑った。
「やっぱりAはポケモンに好かれるんだな〜」
ムーランドには無視される、チラーミィには威嚇されるこの状態をどう見たらポケモンに好かれると思えるんだろうかとAは顔を引きつらせ、否定する。
｢そんなことないと思いますけど…｣
しかし男はうんうん、と頷きながら出てきたチラーミィを眺めるだけであった。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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パクリ - 清々しいまでのパクリ (2019年8月15日 15時) (
レス) id: 0cafbb94f4 (このIDを非表示/違反報告)
なのめーとる。(プロフ) - noahさん» ありがとうございます(*´∇｀*) ほのぼの…なんていい響き//← はい！これからも頑張ります！(゜▽゜*) (2015年1月10日 9時) (レス) id: a333afc336 (このIDを非表示/違反報告)
noah - ほのぼのとした感じがとっても面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2015年1月10日 0時) (レス) id: b22bbd559a (このIDを非表示/違反報告)
なのめーとる。(プロフ) - ＊輪廻＊＠ｐｋｍｎらぶさん» ありがとうございます(*^^*) そういっていただけると嬉しいです。 まだまだ未熟な点もありますが、今後もよろしくお願いします！ (2015年1月1日 19時) (レス) id: a333afc336 (このIDを非表示/違反報告)
＊輪廻＊＠ｐｋｍｎらぶ - 主人公がかっこよくて読んでいてとても楽しいです// 続きが楽しみです！ 更新頑張ってください☆ (2015年1月1日 19時) (レス) id: 19bc86b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのめーとる。 | 作成日時：2014年12月22日 23時
