story*81 ページ10
来た時と同じ様にレシラムの背中に乗って飛んでいると、いつの間にかイッシュ地方を飛び立っていた。
前を見ても海が広がっていて、かなりの距離があるのだと感じる。
相変わらず無言だが、どうやらトウヤはこのままトバリシティまで飛んで行ってくれるつもりらしい。
しばらく飛行していると、ついに前に陸が見えてきた。
近くの人気がないところに降り立ってもらうようお願いすると、トウヤの代わりにレシラムが任せろと鳴いて答えてくれた。
それに賛同するようにツタージャもたーじゃ！と声を上げる。
そうして近くの陸へと到着すると、Aはトウヤとその仲間達に礼を言っ た。
「ここからトバリシティまでは自分の足で行くから、もう大丈夫。
ありがとうな。助かったよ」
帽子を返しながら何とかそれだけ伝えたがそれから何と続けていいか分からず、また帰るからお前もたまには顔出せよとだけ告げてAは歩き出した。
すると後ろから「A」と声をかけられ、トウヤの方を振り返る。
やや無言であったが帽子のつばを押さえ、「…次に会った時に言う」とだけぼそりと告げられる。
確か、帽子に触るのは気まずい時やジレンマを感じている時にする彼の癖であったはずだ。
よくチェレンと喧嘩をして引っ込みがつかなくなり、意地を張っていたりその後 頑張って謝る際にはよく帽子をあんな風に深く被っていたはずだ。
恐らく優しいトウヤのことだから、アデクさんとウルガモスのこともある為勝手には話せないと思ったのだろうと察したAは小さく笑みを浮かべる。
「分かった、待ってるよ。またな」
それを見られないよう帽子ごとトウヤの頭をくしゃくしゃと撫でると、Aは今度こそトバリシティへと歩き出した。
ートウヤsideー
「………」
残されたトウヤは、なにかを考えているように帽子に手を当てながらしばらくそこに留まっていた。
それを不思議に思ったツタージャが、ふと主人の肩でどうしたのかと尋ねる。
「…ううん。なんでもないよ。
帰ろっか」
トウヤはいつものようにレシラムを撫で、「よろしく」と言った。
それを聞いたレシラムは元気よく返事を返し、ツタージャもまた元気よく鳴いたのだった。
Aが去っていった方を見つめるトウヤの横顔は、どこか悲しそうだった。
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酢月(輝・桜)(プロフ) - 待ってます！携帯見つかるといいですね！ (2016年2月26日 0時) (
レス) id: ad30e89851 (このIDを非表示/違反報告)
鶴華 - 主人公くんのキャラがドストライクすぎて本当にやばいわ〜 (2015年11月17日 20時) (レス) id: c2a96a1b3b (このIDを非表示/違反報告)
Kiru - 続きが気になる…。更新待ってます(´・ω・`) (2015年8月12日 14時) (レス) id: 9640a1a808 (このIDを非表示/違反報告)
あずさ - 続きが気になります・・！ 更新頑張ってください！！ (2015年7月22日 15時) (レス) id: 26adbf40b9 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - めっちゃ面白いです！！わくわくします！更新待ってます！！ (2015年7月19日 10時) (レス) id: cdb733f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのめーとる。 | 作成日時：2015年3月6日 22時
