story*78 ページ7
それからまたトウヤとの会話に戻ったのを機に再び辺りに目を向けると、建物の隅に紫のネコのような姿のポケモンが佇んでいるのに気がついた。
近づいてみるとポケモンは何も言わずにこちらを見つめている。
あまりにも無言で佇む様子に不思議に思ったAはトウヤや周りの人達がこちらを見ていないことを確認してから、そっとそのポケモンに声をかけた。
「お前はここの子か？」
「…………にゃ」
声をかけられたポケモンは暫くAの顔をじっと見つめていたが、小さな声でそうだと答える。
それからトウヤの方をちらりと見やったので思わずAもそちらを振り返ると、ポケモンはそっと語り始めた。
単語単語で全ては分からなかったが、その内容は自身の母親であるポケモンが変わった衣装をした人達に殺され、彷徨っていたのをあの少年が助けてくれた。
あそこには助けてくれた少年の知り合いのポケモンもいる……そんな内容の話にAは体を硬直させる。
思わずトウヤの方を振り返るがトウヤは先程の女性と話をしていてこちらに気づく様子はない。
「……にゃ、にゃーお」
ポケモンに背を向けていると「ウルガモス」とだけ呟かれ、どういうことなのかもう一度教えてもらおうとポケモンの方を見るとそこには誰もいなかった。
「え…？？」
チラーミィも不思議そうにしているが、それがAに向けてなのか消えたポケモンに向けてなのかは分からない。
しかし何と無く聞くことを躊躇したA はそのまま黙り込んだ。
あの少年とはトウヤの方を向いていたことからトウヤのことで間違いないだろう。
変な服装の人達は、トウヤとの関連を考えればプラズマ団であるとすぐに思いつく。
トウヤがあのポケモンの母親を助けたのならばこの町のこの施設に来た理由も納得がいく。
そしてあの人の知り合いと言われて、Aはすぐに昨日からどこか様子のおかしいチェレンのことを思い出した。
『僕はまだ書類が終わってないからね。
二、三日したらアデクさんを連れて行くことにするよ』
あの言葉はここのことを指しているのだろう。
そしてたくさんの人が訪れるが、皆ここに来る理由は一つしかない。
彼の……
アデクさんの手持ちのポケモンであったウルガモスが、ここに眠っているのだ。
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酢月(輝・桜)(プロフ) - 待ってます！携帯見つかるといいですね！ (2016年2月26日 0時) (
レス) id: ad30e89851 (このIDを非表示/違反報告)
鶴華 - 主人公くんのキャラがドストライクすぎて本当にやばいわ〜 (2015年11月17日 20時) (レス) id: c2a96a1b3b (このIDを非表示/違反報告)
Kiru - 続きが気になる…。更新待ってます(´・ω・`) (2015年8月12日 14時) (レス) id: 9640a1a808 (このIDを非表示/違反報告)
あずさ - 続きが気になります・・！ 更新頑張ってください！！ (2015年7月22日 15時) (レス) id: 26adbf40b9 (このIDを非表示/違反報告)
花月 - めっちゃ面白いです！！わくわくします！更新待ってます！！ (2015年7月19日 10時) (レス) id: cdb733f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのめーとる。 | 作成日時：2015年3月6日 22時
