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心地よい眠りから覚めれば、腕の中には俺の胸に顔を埋める伊野尾がいる。もう二度と見ることのできないと思っていた穏やかな風景に、目を細めた。
重くかかる前髪を流して覗いたその瞼は、少し赤みを帯びている。そこにそっと触れると、ピクリと反応し長いまつ毛を揺らした。
「ん…薮ぅ…？」
「悪い、起こした」
「ううん」
まだ眠気の残る顔で笑って、また俺の胸に顔を埋めてくる。
昔から変わってないんだな、目覚めてもこうしてしばらくはひっついてくるところ。きっと人の温もりが好きなんだろう。
"まだ離れたくない"と言われているようで、好きだったよ、そんなお前の仕草が。今だってもう、昨日飲み込んだ言葉がうっかり出てしまいそうになる。
言葉の代わりにそのまぁるい頭に手を伸ばすと、枕元にあった伊野尾のスマホが震え出した。
「伊野尾、携帯鳴ってる」
「んー…アラームかなぁ。止めといてー」
目も開けようともしない様子に呆れてそれを手に取ると、そこには着信が表示されている。
「おい、電話だぞ」
「んぇ…電話ぁ…？」
「雄也から」
その名前にバッと起き上がった伊野尾は、顔の前に差し出したそれを慌てて取った。
「静かにしててやるから、早く出ろ」
一度頷き、通話ボタンをタップしておずおずと耳に当てた。
「…もしもし。……おはよ。うん、今起きた。うん…、今日？…うん、大丈夫。…わかった、またね」
一通り短い会話を済ませると、ふぅとため息をつく。
「デートの誘い？」
「…うん。午後から会おうって」
「そっか。よかったじゃん」
「よかった…。アイツが休みなのは分かってたんだけどさ、会いたいって言うの怖くて」
少し目を潤ませ、キュッとスマホを握りしめた。何度も断られ続けて、自信をなくしてしまったんだろう…雄也に愛されている自信を。
「お前は愛されてるよ」
「ふぇ？」
「お前を抱いて分かった。お前はめちゃくちゃ愛されてる。だから自信持て」
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木曜は雨(プロフ) - うさこさん» さ、から始まる言葉を書こうとしたんだろうなとは思いましたwwわざわざありがとうございます！ (2021年4月1日 20時) (
レス) id: 31e16ece45 (このIDを非表示/違反報告)
木曜は雨(プロフ) - komikkuさん» 薮さんに喝を入れられた後の�睫擇気鵑旅堝阿盍�に妄想済みなんですけどねw最後までお付き合いいただきありがとうございました(^-^) (2021年4月1日 20時) (レス) id: 31e16ece45 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - 木曜は、雨さんこんばんわ。すみません、この間のコメントの最後に素敵な桜と訳のわからない事書いてて。素敵な作品と書きたかったのですが朝の4時に目覚めて書いてたのでごめんなさい。いつもありがとうございます。 (2021年3月31日 22時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
komikku(プロフ) - おはようございます。今回もとっても面白かったです☆あとはたかいのの盛り上がった過程も読ませて頂ければうれしいです☆またの更新待ってます〜☆ (2021年3月31日 8時) (レス) id: 93c627b186 (このIDを非表示/違反報告)
木曜は雨(プロフ) - うさこさん» 今回は短めでしたね。書き出した頃はtkin短編に入れようかと思っていたのですが、予定より大分長くなってしまいました 笑。実際もラブラブでいてくれることを願ってます(ノ_＜) (2021年3月30日 9時) (レス) id: 31e16ece45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木曜は雨
| 作成日時：2021年3月24日 8時
