いざ、参戦！�� ページ36
水川｢…兄上？｣
大津・石橋｢え？｣
向井｢今、何と…？｣
淡路｢お、おい巻尺｣
今にも崩れ落ちそうな巻尺は仲間の声など聞こえてないかのように、目の前にいる曲尺をじっと見つめる。
水川｢兄上でしょう？｣
横山｢え…？｣
水川｢曲尺兄上ですよね…？｣
横山｢ま、まさか、あなたは……巻尺？｣
水川｢はい、巻尺ですっ。遥か昔、あなたと引き裂かれた弟の巻尺です！｣
横山｢ぁ、あぁ…｣
水川｢っ、兄上！｣
横山｢巻尺！｣
ーｶﾞｼｯ!
泣きそうな巻尺は曲尺の元に駆け寄り、彼にしがみつくように抱き付いた。
曲尺もそんな巻尺の両肩に手を添えて優しく彼を受け入れた。
水川｢うわぁぁぁぁあっ！兄上ぇぇぇぇえ！｣
横山｢巻尺っ！あぁっ、やっと、やっと会えた…！｣
水川｢兄上ぇぇぇぇぇえ！会いたかったです！｣
横山｢私もっ、ずっとお前と会いたかった…！｣
水川｢兄上っ、兄上ぇぇ…っ｣
大津｢…まさか曲尺の義理の弟が、巻尺のことだったとは…｣
石橋｢あの中国の人みたいな人、巻尺のお兄さんなの？｣
向井｢お前ら付き合い長いのに知らなかったのか？｣
目の前で繰り広げられた義兄弟の再会にプラスドライバー達は呆然と曲尺と巻尺を見るしかなかった。
横山｢巻尺、大きくなったな｣
水川｢兄上こそ、ご立派になられて…｣
横山｢…遅くなって、本当にすまなかった｣
水川｢良いのです。寂しくはございましたが、兄上をお待ちすることなど何一つ苦ではありませんでしたし、何より今こうして再会出来たのですから｣
横山｢…ありがとう｣
水川｢兄上のあの時の言葉が、僕にとって何よりの励みであり支えでもありましたから｣
────
｢離せ！私をどこへ連れて行く気だ！？｣
｢待って！兄上を連れて行かないで！｣
｢巻尺！巻尺ーーー！！｣
｢兄上を返して！！｣
｢巻尺！絶対に帰って来るから！待ってろ！！｣
｢兄上！兄上ぇぇぇぇえ！！｣
────
音響スピーカーから流れたのは幼少時代の曲尺と巻尺らしい子どもの声。
恐らく巻尺が曲尺と引き離された時を回想してるのを表現してるんやろう。
淡路｢くぅ〜っ、泣かせるじゃねぇか巻尺よぉ！｣
大津｢おいこら、邪魔をするな｣
水川｢あ、既にお話しをされていたので見知ってはおられますが、改めてご紹介します。
僕の大切な兄上・曲尺です｣
横山｢改めて、よろしくお願いいたします｣
自分達を見ていたプラスドライバー達に気付いた巻尺が曲尺を紹介した。
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作者名：コッティ | 作成日時：2020年9月26日 22時
