花咲く街角�� ページ31
大林｢欲しいんやろ？｣
『…うん』
健二の真剣な圧に押されて私は素直に白状した。
大林｢そうか｣
それだけ言うと、健二は私の手からスッと簪を抜いてそのまますぐ近くにおった店員さんの元へ歩み寄った。
大林｢すんません、これ会計お願いします。あとラッピングもお願いします｣
店員｢かしこまりました｣
『え？ちょ、健二？』
簪を受け取り早々とレジに向かう店員さんについて行く健二に私は戸惑うしかなかった。
『健二、別にえぇよ買わんでも！』
大林｢何言うてんねん？お前が欲しい言うたから買ってるだけやん｣
『で、でも…っ』
大林｢えぇやんか、たまには｣
私を落ち着かせるように健二は私の頭に手を乗せてポンポンと優しく撫でてくれた。
大林｢母親やからって我慢せんでえぇやんか。それに日頃から仕事も家のことも頑張ってる人間が欲しいモン買うくらいで罰なんか当たらんよ｣
『健二…』
大林｢今回は頑張ってるお前に俺からご褒美！ありがたく貰っとけばえぇねん｣
母親という立場から簪を我慢しようとした私の心の中を全部読み取ってたんや。
ちょっと強引やけど、健二らしい優しさが嬉しかった。
店員｢お待たせいたしました｣
大林｢ありがとうございます。
はい、A｣
和柄の包装紙に可愛らしく包まれた簪を店員さんから受け取った健二はそれを私の手に優しく握らせてくれた。
『…ありがとう健二。ずっと大事にするから』
大林｢おん。
また正月とかに着物着る時に付けてや｣
『…うん！』
健二の肩に頭を預ければ、健二は私の頭を優しく撫でてくれた。
私のわがままを察して叶えてくれた健二の優しい眼差しが堪らなく愛おしい。
『…やっぱり健二好き』
大林｢俺も好き。てか愛してる｣
店員｢素敵…。私もいつかこんな夫婦関係を築きたいなぁ…｣
｢パパとママラブラブやー！｣
｢ラブラブー！｣
店員さんと子どもらが側で目を輝かせてうっとり見ていることに気付かず…。
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ルミネ。
粗品｢何やこれぇーーー！？！？｣
多田｢は、｢#川越で家族デート｣やてぇぇぇぇえ！？｣
桑原｢いつかデートで連れてったろう思てたのに…！｣
後藤｢何やねん？Aのインスタ見たくらいで｣
陣内｢別に夫婦やからデートくらい当たり前やし子どもも連れてるんやからえぇやんか｣
粗品｢くそぉ！いつかまた絶対Aさんとデートしたる…！！｣
多田｢Aちゃん…！｣
桑原｢今に見とけ大林さん…！｣
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作者名：コッティ | 作成日時：2020年9月26日 22時
