忘れぬ一瞬�� ページ14
山下｢この人彼氏さんじゃなかったんですね｣
『ちゃいますよ。彼は仲良い同期の芸人さんです。USJが大好きな子なんでよく一緒に遊びに行ってたんですよ』
横山｢え、同期ってもしかして…｣
『この子よこの子』
山下さんに見せた写真を弘に見せると、弘は｢あ〜…｣と納得したように頷いた。
横山｢櫻井かぁ…。なるほどな｣
山下｢なーんだっ、友達だったのか！てっきり彼氏さんだと…｣
『ふふ、山下さんったら。
今やっと思い出したわ。確かにさっくんと一緒にUSJでパレード見に行った時に私ダンサーに手を引かれて一緒に踊ったわ。まさかそのダンサーが山下さんやったなんて…』
山下｢思い出してくれました？｣
『はい！その時の写真もほら、この通り』
さっくんの写真を探すついでに探してみたらフォルダの奥深くに奇跡的に残っていた。
ガラケー時代に撮った写真やから画像は若干荒いけどしっかりデータはmicroSDに残っていたからスマホでも写し出せた。
山下｢そうそうこれこれ！これが僕です！懐かしい！｣
横山｢おぉ、変わらずかっこえぇ！
ほんまに櫻井も一緒やん｣
パレード終わりに折角やから誘ってくれたダンサーさんとさっくんと撮った思い出のスリーショット。
ダンサーらしいノリで私とさっくんの肩を組んで写るダンサー時代の山下さん。今は大人っぽさが出てきてるけど、かっこいいとこは全然変わらへん。
山下｢あーすっきりしたー！初めてAさんをテレビで見た時から｢あ！｣って思ったんですけど中々聞く勇気が出なくてずっと胸に秘めてたんです。でもやっぱりモヤモヤするから思い切って聞いてみたら見事に正解でしたよ！｣
横山｢そんなに胸に仕舞い込んでたんや｣
山下｢｢人違いだったらどうしよう…？｣とも思っちゃって｣
『それにしても、13年も前のことやのによぉ覚えてはりましたね。私ら以外にも沢山の人と踊ってたはずやのに』
山下｢…そりゃあ覚えてますよ。忘れる訳がない｣
ハンミ｢え？｣
山下｢何でもないです！
じゃあ、後で連絡するんでまた夜に！お疲れ様でした！｣
ハンミ｢お、お疲れ様でした…｣
何か山下さんが言うてたような気がするけど、山下さんは笑顔で私らに手を振りながらその場を去って行った。
『…何言うてたんやろ？山下さん』
横山｢……｣
『どうしたん弘？』
横山｢いや、何でもない｣
『？』
弘までどうしたんやろ？山下さんが去った後をじっと見て。そんなに名残惜しいんかな？
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作者名：コッティ | 作成日時：2020年9月26日 22時
