主婦兼ママ芸人の爆笑奮闘記~第12章~ (ページ1)

今日:12 hit、昨日:5 hit、合計:26,139 hit

初めてのプロデュース① ページ1

エハラ｢あ、おったおった！
ハンミ見つけましたよー！！｣

横山｢？｣

『エハラさん？』

局の廊下を弘と歩いていると、今やYouTubeのファミリーチャンネルで人気を集めているエハラマサヒロさんが私らを探していたのか、慌てた様子でやって来た。

エハラ｢やっと見つけたわー｣

『どうしたんですか？』

エハラ｢いやー、俺ら吉本坂で収録してたんやけど、ここの局にハンミがおるって聞いたから皆で探しててん｣

横山｢俺らにご用ですか？｣

エハラ｢まぁそやな。もう少ししたら遠藤さんらも来るからちょっと待っててや｣

ハンミ｢？？？｣

吉本坂といえばあの秋元康さんがプロデュースしたよしもと所属の芸人やタレントで結成されたアイドルグループ。
私と弘も周りからエントリーをすごい勧められたけど、忙しさでそれどころじゃなかったし私らはアイドルの器じゃないからエントリーはせんかった。

遠藤｢おー、お前らそこおったんかー｣

多田｢やっと会えたー！｣

西村｢もうすぐ局を出るって聞いたから焦りましたよ！｣

しゅん｢間に合って良かった｣

『多田さんに西村くんに宮本くんまで』

横山｢何すか？カメラまで回して…｣

私らの元にやって来た遠藤さん達吉本坂の皆の後ろには何故かカメラを肩に抱えたスタッフさん。

遠藤｢実はな、お前らに渡したいモンがあってな。
これなんやけど…｣

そう言うと遠藤さんはズボンのポケットから一枚の白い封筒を取り出して私らに差し出した。

『これは？』

エハラ｢まぁ読んでや。俺らも中身は知らんねん｣

あまりにも唐突やから私と弘は顔を合わせて首を傾げる。
とりあえず言われた通り開封して中身を読もうとすると、裏面に書かれたある名前が目に入った。

『え…？』

横山｢嘘やろ…？｣

その名前に私と弘は目を疑った。
何故なら…

ハンミ｢秋元康さん！？！？｣

遠藤｢そんなびっくりすることちゃうやん｣

エハラ｢何回か会ってるんやろ？｣

ハンミ｢そりゃびっくりしますよ！！｣

実を言うと私と弘は秋元さん本人から直々に吉本坂にスカウトされていた。
ありがたいことに前々から私らの歌唱力を高く評価して下さってオーディションなしで特別加入を許してくれたけど、さっきの理由で丁重にお断りをした。

それでも私らを諦め切れんかった秋元さんは私らにカバーアルバムを出すことを提案して何から何まで後押ししてくれた。
そのお陰で去年、カバーアルバム『Song for fans』が発売された。