消えない思い出とバイオリン�� ページ40
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俺と姉貴と弟に作ったおやつをお裾分けしてくれたり、家族水入らずのはずのお出かけに俺らを誘ってくれたり、お小遣いまでくれたりして自分の子供と分け隔てなく俺らに優しくしてくれたAのおばちゃんは、親が共働きで構って貰うことがそんなになかった俺ら兄弟のもう一人の母親やった。
プロのバイオリニストにならんかったんが不思議なくらいバイオリンが上手いバイオリンの先生やったおばちゃんは、その時小さかった俺がバイオリンに興味を持ち出したことを察して積極的にバイオリンを教えてくれた。
分からんところも俺が理解出来るまで何時間も丁寧に手取り足取りを教えてくれて、上手く弾けんくて心が折れそうになる俺を優しく励ましてくれた。
そのお陰か、俺のバイオリンの腕は県大会で賞を貰う程上達していった。
おばちゃんからバイオリンを教わっていた大人からも｢将来有望のバイオリニスト｣とまで言われた。
おじいちゃんの影響で少林寺拳法に興味を持ち出しても、おばちゃんの指導があったからバイオリンへの興味も薄れることはなかった。
やから、このままバイオリンを続けて少林寺拳法と両立していこうと思っていたのに…
『お母さんっ…』
おばちゃんは死んだ。
中学に入学して間もない兄ちゃんと、もうすぐ10歳になるAと、幼い弟を遺して死んでしまった。
受け止められない現実を冷たくなったおばちゃんを安置する棺桶を前にボロボロ泣き崩れるAを見て、正面から突き付けられた気がした。
もう、おばちゃんはいない。
信じたくない。
横山｢…宝の持ち腐れは、俺や｣
あの時、Aが｢自分には宝の持ち腐れやから｣と俺にくれたおばちゃんのバイオリン。
分かってた。おばちゃんの形見が余計にAの悲しみを煽ることを。
やからAは俺にバイオリンを譲ったんや。
年端もいかんかった当時のAは、崩れ落ちそうな自分を抑えるんに精一杯やったんやな。
横山｢…おばちゃん、ごめん｣
Aの悲しみを葬りたくて、自分も現実を忘れたくて、俺はあなたがくれた才能を封印しました。
時間と共に俺もAもメンタルが落ち着いてきたけど、俺がまたバイオリンに手を付けることでAにまた辛い思いをさせてしまいそうで。
横山｢…でも良かった。またおばちゃんと一緒にバイオリンが弾けて。Aも…っ｣
Aは、ほんまに大丈夫やったやろか？
また俺がバイオリンを弾いてもえぇんやろか？
なぁ、A？
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kurumikan212(プロフ) - コッティさん» おとぎばなし×芸人達の方はリクエストお待ちしてますのでよかったらどうぞ！ (2020年12月9日 18時) (
レス) id: 288ed3c254 (このIDを非表示/違反報告)
コッティ(プロフ) - kurumikan212さん» 都築くんと夢主ちゃんの初々しさが可愛いですね^^うちの夢主は大阪28期ですからね。でも既に人妻なんで(笑)是非とも拝読させて頂きます！ (2020年12月9日 14時) (レス) id: 4263074a64 (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - そうです。都築が相手の話です。もし、よろしかったら、おとぎばなし×芸人達も読んでください！久々に更新してみました。 (2020年12月9日 12時) (レス) id: 288ed3c254 (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - コッティさん» そうなんですか？既に読まれてるなんてありがとうございます。お互い頑張りましょうね。こちらの夢主さんが稲ちゃんと同期なのが羨ましいです。 (2020年12月9日 12時) (レス) id: 288ed3c254 (このIDを非表示/違反報告)
コッティ(プロフ) - kurumikan212さん» こんにちは！コメントありがとうございます！実は拝読させて頂いてます^^都築くんお相手のお話ですよね？ (2020年12月9日 10時) (レス) id: 4263074a64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年8月27日 13時
