主婦兼ママ芸人の爆笑奮闘記~第7章~ (ページ19)

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からし蓮根青空の希い① ページ19

11年前。

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『あんたの頭が堅いからちゃうん？』

横山｢黙れ！お前の頭が柔らか過ぎてアホ過ぎるだけや！｣

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青空母｢まぁー、たいぎゃ綺麗な女の子！男の子の方も男前やこと！｣

青空父｢こぎゃん顔の整った子らが芸人やっとっと？すごかねー｣

中学時代。
実家で家族とテレビを見ていたら若手芸人ばかりを集めたネタ番組をやっていて、多種多様なネタに家族と腹抱えて笑っている時にあの人を見つけた。

山下智久さんみたいな眼鏡をかけたイケメンと漫才する艶やかな長い黒髪とパッチリした黒目がちな瞳とブラウン管超しでも分かる滑らかな肌、そして服を着ていても分かる整ったスタイルの一際目を引く女性。

青空｢(き、綺麗な人…！こぎゃん綺麗な人、見たことなか…！)｣

俺はこの女芸人さんに釘付けになった。
テレビでよく見る美人女優や美人モデルよりも断トツで綺麗で、まるで最高級の宝石でも見ているかのように見てるだけでも気持ちの良い人やった。

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今田｢いやー、君めっちゃ可愛えぇな！良かったらこの後俺と飯でもどう？彼氏おるん？｣

『い、今田さん…』

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漫才を終えて司会を務める今田耕司さんの元へやって来たその女性とイケメンのコンビ。
案の定美人大好き今田さんが女性を口説き始めて、当の女性はどうしようかとオロオロしている。
よく見るお馴染みの件にオトンとオカンは大笑いしているけど、俺は画面の中の今田さんに苛立ちを覚えた。

青空｢(やめろ。彼女が困ってるやろが…)｣

今思うと、この時俺は今田さんに嫉妬してたんやな。

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横山｢やめたって下さい。こいつこう見えて恋愛経験ないからこういう時どう答えればえぇか分からんのです｣

今田｢え！？嘘！彼氏おったことないん！？｣

『お、お恥ずかしながら…』

今田｢えー、こんな可愛えぇのに意外やなぁ。
ん？てことは、今フリーってことやんな？｣

『え、えぇ、まぁ…』

男｢おぉーーー！！｣

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青空父｢ほぉー、男経験がなかとかー｣

青空母｢貞淑な子やねぇ｣

青空｢……｣

男性経験がない？
今田さんによって掘られた彼女のまさかの恋愛事情に俺は度肝を抜かれた。
こんなに綺麗やったら言い寄って来る男なんていくらでもおるはずやのに…。

青空母｢青空？青空？｣

青空父｢どぎゃんした？｣

この時俺はしばらくオトンとオカンの呼び掛けに全く反応なく固まっていたらしい。