主婦兼ママ芸人の爆笑奮闘記~第6章~ (ページ19)

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劇団コケコッコー『雨降らしの夜』② ページ19

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『私の名前？
………分かりません。思い出せないんです…』

野村｢…なんやって？｣

大西｢ちょっとすみません｣

鮫島｢先生…｣

客席は立見も出る程満員やった。
野村くんとよしもとの社員さんがこれを想定していつもの会場より広い会場を手配したらしい。

そんなお客さんいっぱいの会場で舞台は始まった。

野村｢…"雨降ヨル"｣

『え？あめふらし、よる…？』

野村｢記憶が戻るまでのあんたの名前や。ほんまの名前も思い出せへんのやったら、仮の名前で過ごすしかないやろ｣

『は、はぁ…』

野村｢なんや？気に入らんか？｣

『い、いえっ、とっても素敵ですっ。ありがとうございます信作さんっ』

野村｢ん、これからよろしくなヨル｣

『はい！』

主人公・信作がヒロイン・ヨルを助けるシーンから始まり、彼女をお世話するために自宅へ連れ帰るシーンへと順調にお芝居は進んでいく。

野村くんも幸恵ちゃんも大西くんもすごい。
この間にも緊張しながら演技をしてる私に合わせて皆が上手いことフォローしてくれる。

『信作さん…』

野村｢…ヨル、俺はただ記憶も宛もないお前を預かってるだけやねん。そんな気持ちは…｣

『逃げないで、信作さん…』

野村｢ヨル、やめてくれ｣

『信作さんが私を見てくれるまで、やめません…』

野村｢ヨル…｣

信作とヨルのラブロマンスが始まると、客席から｢キャー…｣と小さいようで大きいような黄色い声が上がり出す。
野村くんの背後から抱き付いたり、野村くんを押し倒すように迫ったりと私がグイグイいってるからね(笑)

鮫島｢あの子には本来の帰る場所があるんよ！
一緒になったって未来はないんよ！分かってるん！？｣

野村｢…ヨルの記憶が戻った時の覚悟は出来てる。
そん時は、何も言わずヨルを帰すつもりや｣

鮫島｢そんなんっ、信ちゃんが辛くなるだけやん！あんな記憶のない痩せっぽっちな子が、信ちゃんを幸せに出来る訳ない！私はっ、信ちゃんのためを思って…｣

野村｢黙れ！！｣

鮫島｢っ…｣

野村｢お前には関係ない。ヨルを悪く言う女は、嫌いじゃ｣

鮫島｢信ちゃ、信ちゃん待って！！行かんといて！！｣

信作とヨルの恋模様の傍ら、幸恵ちゃん演じる信作に想いを寄せる幼なじみの嫉妬も描かれている。
これは書き直してからもそのまま採用した野村くんが書きたかった設定で、私と弘の関係を妄想して書いたらしい(残念ながら私と弘にお互いそんな感情一切ないのよ(笑))。