劇団コケコッコー『雨降らしの夜』�� ページ18
『あー…、心臓バクバクする…』
鮫島｢Aさんやったら大丈夫ですって！｣
堀川｢そうそう！リラックスリラックス！｣
ついに迎えた野村くん率いる劇団コケコッコーの舞台・『雨降らしの夜』公演初日。
その脚本と演出を手掛け、主人公を務める野村くんからのオファーにより特別ゲストとしてヒロインに抜擢されたけど、会場の楽屋入りしてから緊張が半端ない。
なんとか紛らわせようとおさらいも兼ねて台本を読み込むけど、そうしたことで余計にプレッシャーが増した。
そんな私を見兼ねて女性団員が優しく慰めてくれた。
樋口｢色んなドラマで色んなヒロインこなしてきたやないですか！その経験をここで活かして下さい！｣
『全然ちゃうよ…。今回のは可愛い後輩の脚本で動くから、ドラマより気合いが入る分緊張するんよ』
野村くんと団員の皆の顔に泥を塗らんようにするために絶対成功させないとと思うけど、通し稽古も仕事の忙しさ理由に1回しか参加してない私にヒロインが務まるのかと今更ながら不安になってきた。
洲崎｢いよいよ本番やー！｣
伊丹｢Aさんと共演出来るー！｣
北野｢楽しみー！｣
不安だらけの私とは裏腹にワクワク気分でやって来た男性陣。
野村｢…Aさん、どうしました？｣
中谷｢気分でも悪いんですか？｣
鮫島｢すごい緊張されてるのよ｣
『野村くんや皆のために足を引っ張らんようにせなって思えば思う程緊張してもて…』
私が一番先輩やのに、何後輩に弱いとこ見せて心配掛けてるんやろ？
自分の情けなさに俯いて頭を抱えていると、誰かにポンと肩を叩かれた。
野村｢そんなプレッシャー感じる必要ないです。豪華な役者さん揃いのドラマみたいにデカイヤツちゃうんですから。
俺も皆も、Aさんにドラマばりの演技を求めてるんちゃいます。Aさんらしく演じて欲しいんです｣
『…野村くん』
野村｢俺らのためにそんなん思ってくれるんは嬉しいですよ。
でも、Aさんが元気でおってくれな俺らもいつものやる気が出ませんよ｣
脚本を書き直してくれた時と同じクシャッとした笑顔の野村くん。
そんな野村くんに賛同して皆も｢そうですよ｣と微笑みながら言うてくれた。
野村｢今日は大林さんとりゅうとあーちゃんも見に来てくれてるんでしょ。母ちゃんの格好えぇとこ見せたりましょうよ！｣
『っ、そうね！野村くんありがとう！』
野村くんのお陰で緊張と不安がいくらか解けた。
よし、ヒロイン頑張ろう！
劇団コケコッコー『雨降らしの夜』�□�←こんなタイマン、あり？��
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年3月9日 23時
