平等で幸せな終焉を�� ページ13
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｢…ばー……だ…｣
野村｢んぅ…｣
真っ暗な視界の中、何か小さいモノに顔をペチペチ叩かれた。
痛くはないが何回も連続で叩いてくるモンやから気になって仕方ない。
まだ完全に頭が覚醒してないまま俺は目を開いた。
野村｢ん、…あーちゃん？｣
｢あー｣
目の前には至近距離で俺を見るあーちゃん。
急に目を開けた俺に驚きつつ、ちっこい手で俺の鼻をギューっと握り出した。
野村｢痛い痛いっ、あーちゃん離してっ｣
｢ぶー｣
｢あー！あーちゃん、のむらくんおこしたらあかん！｣
そこへやって来たパジャマ姿のりゅうが駆け寄って、俺の鼻を握るあーちゃんを離してくれた。
｢のむらくん、だいじょうぶ？｣
野村｢お、おぉ大丈夫や、ありがとうな。
りゅう、あーちゃん、おはよう｣
｢おはよう！｣
｢だぁー｣
元気な挨拶をしてくれたりゅうとあーちゃんを見て思い出した。
Aさんの家でAさんと脚本書き直して、そのままご厚意で泊めて貰ったんや。
『あ！龍飛、野村くん起こしたあかんやろ？』
りゅうの元気な声を聞いてやって来たのか、Aさんがひょこっと顔を出した。
長い髪を後ろで一つに纏めたエプロン姿。
あまり見ることのないAさんに鼓動がうるさいくらいに激しく波打った。
｢ぼくおこしたんちゃうもん！あーちゃんがおこしたんやもん！｣
野村｢丁度起きるとこやったんで俺は大丈夫ですよ｣
『ごめんね。よく眠れた？』
野村｢はい、ぐっすり出来ました。
それと、昨晩は遅くまで書き直しに付き合ってくれてありがとうございました。お陰様でよりえぇ感じに仕上がりました｣
『私こそ、希望を聞いてくれてほんまありがとう。主人公が幸せになれてほんま良かった。
もうすぐ朝ごはん出来るから一緒に食べよ』
野村｢あ、ありがとうございます｣
｢のむらくんいっしょにかおあらいにいこ！｣
野村｢おん、行くか！｣
新しくなった脚本、きっと洲崎らびっくりするやろな。新しい結末に合わせて所々変えたし。
ご都合主義は好かんけど、この人が笑って幸せになってくれるんやったら、悪くないな。
野村｢(正直俺も主人公とヒロインくっつけたかったし)｣
なんてことを思いながらAさんに洗面台を借りる許可を貰い、りゅうを抱き上げて洗面所へ向かった。
洗面所へ向かう道中テーブルを拭く大林さんと目が合って、ジャックナイフみたいな鋭い目で睨まれた。
めっちゃめちゃ怖かった…(汗)
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年1月3日 21時
