束の間 ページ9
帰宅後。
子どもらを寝かしつけてリビングへ向かうと夕飯の後片付けをしてくれた健二が私をずっと待っていたかのようにソファーに座っていた。
大林｢今日はちょっと時間掛かったな｣
『遅くなってごめんな。亜美里が中々寝てくれんかってんよ』
大林｢昼寝してばっかやったからな。暑い日が続いてるのによぉ寝れるな。羨ましいわ｣
『ふふふ…』
夫婦水入らずのいつもと変わらない他愛もない会話。
お互いの身体は対してくっついてなくて普通に並んで座っているだけで充分に満たされる。
大林｢どうやった？久しぶりの漫劇は｣
『うん、皆と会えて話できたしネタも全部ウケたし、嬉しかったよ』
大林｢そうか。良かったな。お前は卒業してもほんま漫劇好きやからな｣
『だって、ずっとお世話になった思い出の場所やもん』
大林｢そうやな。俺らが出会ったきっかけの場所でもあるし…｣
『うん…』
そっと私の肩に手を置いて抱き寄せる健二の胸板に手を添えて健二の肩に自分の頭を預けると、私の前髪がかかった額にチュッと音を立ててキスをしてくれた。
大林｢……しんどい思いせんかったか？｣
『え？なんで？』
大林｢いや、その、…そこに最近、新人スタッフが入って…｣
『武村麻理沙さんのこと？』
大林｢…会ったんか？｣
『うん。若くて可愛い子やけど、なんか、新人故って言うか、ちょっと社会的に欠けてるって言うか…』
他の子の悪口を言うてしまってるみたいで若干口ごもる私の両頬を健二は両手で包んでグイッと私の顔を持ち上げると真っ直ぐな目で私をじっと見つめた。
『健二…？』
大林｢…大丈夫やったか？｣
『え？』
大林｢その武村って女、常識ってモンが全然ないから俺らも困っててん。やからお前も参ってないか心配で…｣
『…挨拶とかは冷たくあしらわれたけど、ショーパンのこと注意したら一応聞いてはくれたし、それに私はまだ会ってたった一日やからまだ分からへんやん？』
私の言葉に健二は安堵の声を漏らしたけど、表情にはまだ不安が残っている。
大林｢ほんま気付けろ？あぁ言う女はほんま人を舐め腐ってるから｣
『ふふふ、心配性やね』
大林｢当たり前やろ？自分の嫁になんかあったら溜まったもんちゃう｣
『…ありがとう。健二も気を付けてな？』
大林｢おん｣
まだ不安そうな健二の頬に優しくキスをすると、驚きながらもすぐに私の唇に自分の唇を重ねてくれた。
嵐が起こる直前の甘い時間。
嵐の雲はすぐそこに。
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コッティ(プロフ) - ルミナスさん» コメントありがとうございます！結末までには色んなことを起こしたいのでお楽しみに！ (2018年8月23日 18時) (
レス) id: 825a6ec5a8 (このIDを非表示/違反報告)
ルミナス(プロフ) - 夢主が芸能人と協力して悪女達をクビにしてほしい･･･ どうですか？ (2018年8月22日 15時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
コッティ(プロフ) - 氷柱さん» コメントありがとうございます！スカッとも交えつつ芸人の皆さんとの絆の強さをテーマに書いていきますのでお楽しみに！ナイスツッコミをありがとうございます！(笑) (2018年7月5日 15時) (レス) id: 825a6ec5a8 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - いつも楽しくこのシリーズを読ませていただいてます。所謂ロング版某スカッと番組（分かり辛くてすみません）みたいな感じですかね？これからの展開が楽しみです！とりあえず悪女には5話の発言に対して「それ貴女の事だよ！」と言いたいです！ (2018年7月5日 10時) (レス) id: fe9f990ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コッティ | 作成日時：2018年4月5日 20時
