小さな温もりに包まれて【KOUGU維新】�� ページ29
お二人の小さな手に握られていたのは、色とりどりの折り紙の花束とクレヨンで描いた私の似顔絵でした。
曲尺｢私のために…？｣
｢ママに曲じゃくさんのとこ入ったらあかんって言われて外で花とりに行けへんかったから作ったねん！
曲じゃくさん、はよ元気になってね！｣
｢あーちゃん、かえしゃくさんのおかおかいたのー。
かえしゃくさんはよあそぼね！｣
マイナス｢おぉ、よく出来てるじゃないか｣
シワが目立ち、角の色が剥げて紙の白い繊維が顔を出す花束。
不安定な線と所々色と色が混ざってくすんだ似顔絵。
お二人の苦労と優しさを物語る心のこもった二つのお見舞いに胸が熱くなり…
曲尺｢あ、あぁ…っ｣
｢曲じゃくさんどうしたん？｣
｢どっかいたい？｣
溢れる思いは涙となって零れ落ちてしまいました。
曲尺｢ありがとうございます…っ。
こんな…っ、いつも皆の足を引っ張る、もやしのように弱々しい私などのために…こんなに素敵なモノを…っ。大変だったでしょうに…っ｣
｢かえしゃくさんはよわくない！｣
｢もやしなんかじゃないよ！つよくてやさしいお兄ちゃんやもん！｣
曲尺｢坊っちゃん…お嬢様…っ、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ｣
｢曲じゃくさん！｣
曲尺｢ｺﾞﾎ…だ、大丈夫です…｣
マイナス｢ほら、横になってろ｣
曲尺｢は、はい…｣
｢おふとんポンポンしてあげる！｣
曲尺｢ありがとうございます｣
あぁ、なんて優しいのでしょう。
こんなに小さくとも親方様の他人を思いやる優しいお心をしっかりと受け継いでおられるのですね。
マイナス｢良かったじゃないか曲尺。子息達の心遣いに応えてしっかり治せ｣
曲尺｢ｸﾞｽｯ…そうですね。可愛いお二人のために早く元気にならなければ｣
｢ううん！巻じゃくさんのために曲じゃくさんはがんばるの！｣
曲尺・マイナス｢え…？｣
｢巻じゃくさんな、曲じゃくさんがもっと大へんなことになったらどうしようってないててん。ママとプラスドライバーさんと紙やすりさんが巻じゃくさんなぐさめてたねん｣
曲尺｢……｣
｢やから巻じゃくさんがなかへんようにしてあげてね！｣
曲尺｢…そうですね。あの子は昔から心配性で泣き虫ですからね｣
｢かえしゃくさんがんばれ！｣
曲尺｢はい｣
マイナス｢お前達は本当に優しいな｣
私だけでなく巻尺のことまで気に掛けて下さる坊っちゃんとお嬢様のお心遣いがまた私の胸を熱くさせました。
分かりましたよ。巻尺のために私頑張りますから。
【9/30放送分】THE突破ファイルにて� 、┣駭段限燭掘�→←小さな温もりに包まれて【KOUGU維新】��
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作者名：コッティ | 作成日時：2020年7月28日 23時
