異世界派遣担当。Ⅳ【wrwrd!】【完結】 (ページ45)

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rb ページ45

犠牲とはなんなのか。自分の野望を叶えるためなら、どんな犠牲も厭わないのか。

だから世界は弱肉強食のままで。弱い奴は、強い人間の糧になる。だから、強くなるために頑張らなければならない。

何もなくなった灰地は、風も吹かずにただ死んだ形を保っていた。

rb「世界はどこでも、変わらないんや。」

『まぁね。』

昔、かつて俺や人をいたぶることに喜びを感じていた奴らだって、結局は自分が上だと思いたかっただけ。そうやって、俺みたいな弱いやつを食って社会的な地位を保っていこうとした。だから、痛い目を見た。もしかしたら、弱いのが嫌で、強い能力を得た自分のやっていることも、たいして変わらなかったんじゃないかとも思う。復讐だって結局は負の連鎖を生むけど、それをやめようと思える人間なんてそうそういない。恨みがあるから、復讐が生まれるんだから。

rb「俺もお前らと同類なんかもな。」

gr「同類ではないぞ。類は友を呼ぶ、と言うのは、もともとそうでなかった人間が“そう”染まっていくから同じになるだけで元は違う。お前も俺らに染められたんだ。」

『ふ、せやね。私らの一番ええ形にみんなで染まってってるんや。』

類は友を呼ぶ、なんて。決して、違うからって離れなければならないわけではなくて。同じような人間が集まるわけじゃないんだって。

『おっ…。来たなぁ』

tn「ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

gr「うるせぇ！！」

rb「トントン？！！」

ぽんっとAが杖を出してトントンをゆっくり降ろす。なぜ空から降ってきたのかは分からないけど、手に持っているそれは確かに必要なものだった。

『お疲れ。なんで空から？』

tn「知らんわ！！！吹っ飛ばされたこっちの身にもなれや！！」

『え、お、うん。』

gr「で、攻略本というのは…それ、か？」

tn「らしいな。」

『…ふっ、ちょっとロボロ、本の名前読んでみてっ…』

rb「ちょーぜつびしょうじょ！みらくるまじっくみんなではっぴーきらきらたんさくぶっく！」

『んはははははっ！！！おもろすぎるやろ！！！昔の私ネーミングセンスありすぎちゃう！！んははっ、』

rb「じ、地獄や…」