異世界派遣担当。Ⅳ【wrwrd!】【完結】 (ページ44)

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rb ページ44

gr「まぁ…自分で描いた夢を壊すほど、愉悦に浸り快楽に溺れることが許される破壊の最大の自由はないさ。」

rb「グルッペンもそっち側なん…？」

『まぁ、せやろな感。』

gr「お、」

止まった揺れ。それは、破壊の終焉を告げる。

キューブから飛び降りて、地上に着地する。幸い、地下深くにあったからか、浮き上がっていても地上からやや浮いているくらいで、大した高さはなかった。

そこは、空の赤と、地の灰が。
夢を見ていたものたちは、まるで麻薬に酔ったように夢に明け暮れた人々は消え、街は姿を残さずにいる。灰とかした姿は、いつの日か、教科書で見た、まだ経験したことのない戦地の写真を思い出させた。

rb「…っ」

gr「おぉ。」

『あ、ここまで潰れるんか。』

圧倒された。ただただ、言葉が出なかった。見たこともない恐怖を喉元にナイフを突きつけられているような感覚だった。

gr「…お前は、これを見て今、どう思っている？」

『わぁすごい』

gr「お前とちゃう。」

rb「………」

言葉にできなかった。

gr「見たことあるのではないか？こんな世界を、どこかで。」

rb「…じっ…実際には見たことない。歴史の授業の時、教科書とかで見たぐらいや。」

『はぇ…もうロボロのとこでは歴史として丁寧にお椅子座って聞かされるものなんだ。』

gr「俺らは絶賛よく見る光景だがな…。」

rb「初めて見て、正直、怖いわ。ゾクゾクする。」

『私もゾクゾクするで。やけど歓喜も興奮もある。もしこうして新たな幸せを生み出せるなら、それも都合のいい魔法や世界なんかじゃなくて、とびっきりの努力で。』

『それって、すっごくかっこいいと思わん？』

gr「…ああ。そのための犠牲に他ならないな。」

rb「犠牲なぁ…なんかあんまいい気せんな…お前らのことよく分からんわ…。」