tn ページ18
大きく建物が揺れた。もはや広すぎて建物の中なのかどうかもわからないけど。とにかく、立っているのですらきついと感じるほどの大きな揺れだった。
tn「な、なんや？！！」
「お主が呼んでって頼んだんじゃないか。」
tn「呼ぶ？」
「お主の求める本を呼んだから、こちらに来てくれたのだ。まさか図書館の主人に対して何一つ顔を見せずにゲームを始めるとは何とも無礼だとは思うが…。裏世界本なら多めに見ざるを得んな。」
tn「ゲーム？無礼？何やか知らんけどちゃんと説明しろや！！！」
「見ればわかるさ。ここの本を手に入れるためには欲しい本となんらかのゲームをして勝たなければいけないのだ。」
tn「、は？」
「早く行った方がいい。ここの本棚が偽物なのは分かっているのだろう？なら助けに行かないとお仲間が死んでしまうかもしれないぞ。」
___裏世界本は気性が荒いんだ。
やばいと思った。もしその本が、予想もしないような怪物だったなら、もし誰かが何も知らずに遭遇していたら、あのさっきの揺れが、それがここに来たときの地響きだとしたら。
そう考えると本棚に突っ込んで行く恐怖よりも、早く合流しなきゃいけないが、強く勝ってしまった。
ホログラムのような技術でうつされる本棚は大きく威圧感はあるものの実際はなんら変わりない立体映像。
せめて、情報を共有する術を得られたなら。
tn「あかんあかん！！」
嫌に巡る負の感情を払い除けるように大きく首を振った。
目指すのは、地響きの根源。
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作者名：noroma±睡魔 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Chihiro0521/
作成日時：2022年7月23日 18時
