異世界派遣担当。ⅲ【wrwrd!】【完結】 (ページ36)

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syp ページ36

『つまりこの女との記憶の物語は大先生にとって、忘れられなくて、一番辛かったバッドエンドで終わるのか。』

syp「でもなんでその時の再現じゃなく、現在進行形で今、話をしたりできてると思います？」

『……ぷあぷあさんのワナ？』

syp「多分。アレ、魔法じゃないっすか？俺には分からないけど、物語ものって最後に裏切られる時、本当は偽物で、その大好きなものに成り代わった偽物にやられる系多いやん。」

『偽物、ねぇ……。あ、ほんとだ可視化したらばり変なやつになった。口でかいから食われるオチやな。』

syp「はぇーききたくなかった最悪の展開キタァ…。」

『たすける？』

なぜかめちゃくちゃ嫌そうにそう聞いてきたA。最悪の展開に、巻き込まれたくないのか、それとも大先生がそうであることに引け目を感じているのか。どっちにしろ不可能な可能性が高い。

syp「いや、多分割って入れないやろ。大先生が女といる時、ひっぺがしに行ってもいっつも来てくれへん。最後にチーノが引っ張るから。」

『しかもあの女は特別っぽいよね。大先生のあんな純粋な笑顔いつぶりよ？？』

syp「なんなら見たことないっすね。」

『やろ？』

syp「堕ちるとこまで堕ちましたねあれ。」

『あとはタイミング見ていただきます。やな。』

もう助からないことを前提に話していると後ろから大笑いする声が聞こえた。焦って振り返るとお腹を抱えて笑っているチーノがいた。

ci「んははははっ！！！やっばい大先生ばりおもろいやん！後でめっちゃいじったろ！！」

syp「チーノ！！いつからいたん？！」

ci「お前らが大先生の隣の女の容姿言い始めた時。」

『ほぼイントロからやんけ…。』

ci「っはーっ！！笑った笑った。諦めんのもええけどせっかくできたネタやしいっちょひっぺがしに行かんとなぁ。」

顔を真っ赤にして眼鏡を外しながら笑いすぎて溢れた涙を拭ったチーノは、とても心強かった。