rb ページ20
『行くよ。』
Aのその言葉に続いてそれぞれが見えたそれぞれのドアに順番に、手をかけ、足を踏み入れる。もちろんどんなものかはわからないけれど、人によって開け方、入り方はさまざまだった。
rb「……、は、はぇー…」
その透明なドアノブをゆっくりと回して内開きのガラス戸を通り抜けた。
その先には先に向かったみんながいて、驚くほど不思議な数字の散りばめられたカラフルな部屋になっていた。
『多分、見えてる部屋も人によって違う。』
だから、統率が取りにくい。
全員が入ったのを確認するのと同時にガコンっと部屋が大きく揺れる。
pa「ぷあぷあ〜…あららおきゃくさん！ずいぶんとはやかったですねぇ。」
『ぷあぷあさん…。』
視界が揺れて、その瞬間に視界に現れたのは「ぷあぷあさん」。羊のようなふわふわとした印象の、女の子。
『イメージ統一化…。』
pa「だって、Aのいめぇじをみんなであじわってもらったほうが、何倍も楽しいでしょう？ねっ？」
pa「それで……いったいぷあぷあのところに何しにきたの？」
gr「……、空想地図を、俺たちにくれないか？」
sha「空想地図、お前が持っとるんやろ？」
pa「ぷ、そうだよ〜。でも、ぷあぷあはお部屋にみんなが入ったのにプレゼントだけ渡すのは嫌なの。」
pa「だから、遊びましょう？」
花が舞うような、思わず眠ってしまうような、そんなあたたかな笑みと同時にまるで反したような大きくてうるさいほどに耳に響く轟音を鳴らしながら奇妙な動きをはじめた部屋。ぷあぷあさんのその言葉が合図だったのか、なんて気づいた頃にはぐんっと真っ暗な部屋に。
そして、声も音も、何も聞こえなくなっていた。
pa「みなさんー聞こえるですか〜？みなさんはぁ、今小さな部屋にいます！みんなできょうふをのりこえて、「集合」してぷあぷあを見つけてくださぁい!時間は無制限だからちゃーんと考えていいよ!でも…そのせいで死んじゃってもぷあぷあは知らないよ？」
きゃはは、なんて子供のような、いや、実際子供だったが、そんな高い笑い声を残して消えていった。
その真っ暗な空間はやけに気味が悪くて。
rb「嫌、やなぁ。」
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作者名：noroma±睡魔 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Chihiro0521/
作成日時：2022年6月13日 20時
