サイカ駅にて ページ40
サイカ駅で、残りの4人が来るまで気長に待つことにしたのはつい1時間ほど前の事だった。サイカ駅は本当に小さな駅舎だった。ベンチがいくつかあって、壁一面にたくさんのチラシが貼ってあって。歩くたびにギシギシとなる足元は今にもこの建物が倒れるんじゃないかってほどに不安になる。
『みた事ないチラシばっかやね。』
sha「せやなぁ…しかも時間経ちすぎて掠れてたりしとるしなぁ…」
見えない、なんてぐっと壁のチラシと鼻がくっつきそうなほど近づいて見てるシャオロンの真似をしてぐっと目の前のチラシの化された文字に目を凝らす。
『し…ら…う…？ダメだ画数多いと読めない…ひらがなが限界かなぁ…。』
sha「そうでもないで。ほら、これやったら読めるやん！」
『画数少ないやんそれ。』
壁と睨めっこもいい加減飽きてきて、2人で駅の入り口、ひんやりとした階段に座る。夜に起きることに、夜という時間に慣れてしまったこの体は眠くなることもなければ騒がしく動くこともなかった。誰の姿も見えない、人が消えてしまったような世界に感じる。
sha「なぁ…月が綺麗ですねって知っとる？」
『んー…なんかの本の告白の言葉やっけ？』
sha「そーそー。サイカ駅も、アムネシアもやけどさ、月が見えへんから、こんなロマンティックな告白できひんよな。」
『そう考えるとどうやって告白しとったんやろ…。安直に言ったんかな？面白みないなぁ。』
sha「あー…素直でええやろ。でも手紙とかはよう聞くよな。」
『……私ら恋バナ向いてないな。』
sha「……せやな。」
rb「いやしょうもなさすぎるやろ！！！」
世界で1番青春が下手くそな会話を繰り広げていると影から思わぬツッコミが入る。人であることに喜びつつなんとも言えない複雑な気持ちになる。後からゾムがロボロを呼びながら駆け寄ってくる。
zm「おいロボロ！！早すぎるやろ…！！」
sha「遅かったな。俺ら先についてたで。」
rb「いや、光が見えんのって夜だけやったから…」
『光？』
rb「サイカ駅から1夜だけ光の道がでんねん。それ辿ってきたから俺ら遅かってん。」
『へぇ…』
zm「ま、てっきり俺らが最後かと思ったったけどな。トントン達の方が遅かったか。」
後ろに見える真っ暗な空は綺麗だった。
night×knight-チームα→←night×knight-チームΔ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
noroma±睡魔2号店(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！気分投稿ですけど…頑張ります！ (2023年3月12日 21時) (
レス) id: bb5893bd99 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - インフル…！体調第一で大丈夫ですので！！ (2023年3月7日 22時) (レス) id: c680ea5625 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：noroma±睡魔 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Chihiro0521/
作成日時：2022年2月3日 18時
