病院 ページ22
病院について、受付で言われた部屋へ行く。救命車の代金も、病院の診察代等も全てこの“受付”が掌握している。
『302号室…303号室…309ってもしかして一個上の階かな…？』
ut「端っこが303ならそやろうなぁ…」
ロボロの通された病室を探して数分。入院代を出せるほどの余裕はないためたら帰ろうと思っているのだが一向に部屋が見つからない。迷子、何だろうけど。
どこまで歩いても、目的の数字だけは見つからなかった。
zm「こんな病院って迷子になるもんなんか…。」
『ね。こんな見つからないかな…』
そこで、ふと、ある違和感に気づく。
私たち以外に、人がいない。
さっきまで歩いていた病人も、看護婦も、子供もいない。まるで廃病院かのように、静まり返っている。
『ねぇ、一回でない？トントン、シャオロンに連絡し…』
『トントン？』
振り返ると、彼はいなかった。隣で警戒する様に辺りを見渡すゾム、たった一人を残して、大先生もトントンもいなくなってしまった。
お互いに目を合わせて瞬時に背中を合わせる。じっと廊下の暗がりの先を見つめていると、じょきん、じょきんと大きな音が近づいてくる。しかしそこに“夜はいない”。
zm「！！A！！
『っ…！！』
ゾムの叫び声で思わず怯みながらも体を下へ下げる。そのあと数秒も数える間もなく、上を大きな鋏が通過していった。それは、まっすぐと進んでいるだけで、私たちに気を留める様子もなくまた先の暗闇へと消えていった。
zm「っ…どーゆーことや…」
『わからん…けど…』
“夜はいなかった”
『あの鋏は、…いやそもそもこの空間自体がおかしくない…？』
鋏の向かった暗闇は今まで歩いてきた道だった。なんなら、暗闇といいつつ、今はまだ日も沈まぬ時間であるはずだ。
zm「何が起こっとるんや…」
『夜は、いなかった。』
zm「いやでも
『いや私、物を操ってる夜には会ったことないけど…』
zm「んなこと言ったって超能力者ぐらいしか！！！…あ、」
『また、そーゆー系の人がいる…？』
向かったのは、鋏が来ていた方向。一番奥にあったのは、病室の中で一番大きいとも言える病室であった。そこは、どこまでも禍々しい雰囲気もある。
『ぜっっったいここやね。』
zm「…嗚呼。」
扉を見つめるゾムは、人が変わったように鋭い目つきをしていた。
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noroma±睡魔2号店(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！気分投稿ですけど…頑張ります！ (2023年3月12日 21時) (
レス) id: bb5893bd99 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - インフル…！体調第一で大丈夫ですので！！ (2023年3月7日 22時) (レス) id: c680ea5625 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noroma±睡魔 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Chihiro0521/
作成日時：2022年2月3日 18時
