横寺陽人と筒隠月子。（小説）（続き） (ページ12)

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第２９話　小さな後輩と大きなピンチ。ページ12

買い終わり、月子が鼻歌を歌いながらコンビニを出ると…

「お嬢ちゃ～んどうしたの～？こんなに買っちゃって～」

「小さいのによく食べまちゅね～」

そこには悪そうな目付きをした不良達がおった。

「なんですか？」

「おや？小学生の割りには大人しいでちゅね～お喋りできまちゅ？」

なりたくもない無表情をバカにされ、月子は内心怒っている様子だ。

「それはこっちの言い分です。語尾に『でちゅ』を付けるの、いい加減やめるです」

「おいおいお嬢ちゃん、小学生の割りに言葉キツいな～あいや幼稚園児か？」

と、不良共は近所迷惑も考えずに月子を笑う。

「筒隠月子、高校一年生です」

「…高一？俺らとほぼ変わらんじゃん。俺ら高三だけどー、君身長何センチー？」

確かに、月子と不良じゃ比べ物にならない。

だが、不良達はそれを使って月子をからかい続ける。

「…死んだ母に教わったです。変な人に近づいちゃダメと。なのでこれで失礼するで…」

「ああん？変な人……オメェのような顔なし変人に言われたきゃねーわ！」

「…先輩～」

月子は陽人のことを叫ぼうとするが、本音をなくして声もそこまで出ない。

「はぁ？先輩って俺らのことか？つーかそんな小さな声で誰か来ると思ってんのか！？」

「もちろん！」

「なんだ、この声…」

「…先輩…」

そう、月子の大事な先輩である、横寺陽人だ。