第２８話 筒隠月子と旺盛な食欲。 ページ11
「さあ、たくさん食べろ！」
筒隠家に着いて用意されたのは…
「レバニラ炒めにレバーの煮物、レバースープ……」
「レバーパーティー」と言ったからには、レバーオンパレードか？
「て、いくら貧血回避のためだからといっても、これでは偏り過ぎですよ〜」
「心配するな。レバニラにはニラが、煮物には大根やニンジンなどの野菜が入っておる！」
「でもそんなの少ししか…」
「細かい男だな〜 そんなの気にせず、ほら食べろ」
「い、いただきます」
貧血気味なのは月子ちゃんだけなのに、これだと僕まで鉄分を摂りすぎてしまう。
数十分後
「ふぅ〜 食べた食べた〜」
ただ、味は意外に美味しかった。
「どこ行くの？」
財布を持ってどこかへ出掛けようとする月子ちゃんに、僕は勇気を出して声をかけてみた。
「あなたには関係のないことです。が、お腹が空いたので、お夜食としてコンビニへ」
「まだ食べる気…？」
なんとか返事には答えてくれたが、レバーを食べたばかりなのにまたである。
「でも、こんなに食べたら気持ち悪くならない？」
「だから、あなたには関係のないことです」
「あっれ〜？ 僕とラーメン食べに行った時は、気持ち悪くなってたよね〜？」
ちょっとからかってみたくなった。
別に、さっきのことをまだ怒ってるわけじゃないんだよ？
「大体、あなたはデリカシーが無さすぎです。このように、食欲旺盛な私は、これからどうなるかわかりませんから」
確かに、食べ過ぎたら気持ち悪くなるだけじゃない。
今のは月子ちゃんに納得して、反省できる。
「ごめん、今のは僕が悪かったよ」
「……行ってくるです」
と、素直に返事を返すことが出来ないのか、そう残して月子ちゃんは家を出た。
ただ、こんな夜遅くに、女の子が一人でも危なくないだろうか。
もしかして、僕が嫌で出ていったのじゃ？
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作者名：シロイルカ | 作成日時：2013年12月18日 21時
