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この状況。
「えっ、このあと、どうなるか、なんて」
頭が混乱して、よくわからない。
『部屋はふたりきり。おまけにベッドに座ってる、ね?』
そう囁いて、たくちゃんは私を離して、
肩をポーンと押す。
視界が見慣れた天井に変わって、
私は事の重大さに気付く。
「っ、たくちゃん‥きゃっ」
急いで起き上がろうとしても、
また肩をポーンと押されて、ベッドに沈む。
ベッドがギシギシと音をたてて、
たくちゃんが私を見下ろす。
どうしよう、どうしよう、
‥
『まあ、冗談だけどさ』
ぎゅっと目を瞑った瞬間、
たくちゃんのそんな声が聞こえて、
私は目を開ける。
たくちゃんはベッドから降りて、
鞄を掴んでいた。
「たくちゃん、」
『佑亮には気持ち伝えた?』
「‥それは」
『誰かに取られちゃう前に。頑張れよ』
そう言ってドアを開けたたくちゃんの腕を掴む。
「‥誰かって、そういう人が居るってこと、佑亮に‥?」
自分の気持ちばっかりで、考えられなかった。
そうだ、佑亮だって、
出会いの機会もたくさんある。
『それは、自分で聞いてみたら?』
「え、ちょっ‥」
たくちゃんはそう言って、
隣の家のインターホンを押して。
『たくちゃん‥!‥と栞里‥?』
私の姿を見て、佑亮は顔をしかめた。
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作者名:あかり | 作成日時:2016年8月6日 23時