お届けものです。 (ページ33)

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『え、ごめん、あの、栞里、ごめん
困らせたくて言ったんじゃなくて、』

『たくちゃんから聞いてると思ってて、
ほんっとにごめん‥！』

佑亮の慌てる声に、
私は首を振ることしかできなくて。

佑亮に話を聞けば。

あの後、高校生二人組が
SNSで発信して、それが広まって。

メンバーの耳にも伝わったらしい。

たくちゃんも友達です、って否定していたけど、
手を繋いでる姿を見られてしまった以上、
騒ぎになるのは当たり前で。

私は改めて不用心だったなって思った。

「‥ごめんなさい、迷惑かけて」

『‥でも！別に怒られたわけじゃないし、恋愛禁止じゃないし‥たくちゃんもメンバーも気にしてないから！大丈夫だから！』

大丈夫だから泣かないで、なんて
私の頭を軽く触るから、
どうしようもなくなって、
目に溜まった涙がぽとり、とスカートに染みた。

#

「ごめん泣いたりして、私帰るね‥」

暫くぽとぽととスカートに滴を落として。

でも私が泣くことじゃない、
佑亮の前で泣いたりしちゃいけない。

止まらない涙をゴシゴシ拭きながら、席を立つ。

多分ブサイクだろうな、私。

佑亮が困った顔をして、私を見る。
その度にごめんね、って思うから、
私はまだ涙が止まらない。

「じゃあ‥」
『帰したくない』

私の腕を掴んだ佑亮に
私の動きが止まった。