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『とりあえず、僕の家入って』
「え、でも」
『いいから、入った、入った』
佑亮に押されて、家に入れば、
この前のお泊まりと、たくちゃんの言葉を思い出す。
《いくら幼馴染とはいえ、男女2人で泊まって、
何も手出されてないってそれ、どうなの》
どうなの？って言われても、
これが現実なんだよ、たくちゃん。
少し悲しくなって、少し切なくなって。
佑亮の後ろ姿をじっと見つめる。
『あのね、』
何だか言いにくそうな顔をして、
私の横に座る。
その難しい顔に私が緊張してきて。
『‥たくちゃんのことだけどね、気にしなくて大丈夫だから』
「え、なんで」
出されたお茶のコップを持ちながら固まる。
何でそれを知ってるんだろう。
たくちゃんのこと、って言われて、
思い当たるのはひとつしかなくて。
「ごめんなさい、」
そう口に出すことしかできなくて、
まともに佑亮の顔も見れない。
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作者名：あかり | 作成日時：2016年8月6日 23時
