お届けものです。 (ページ31)

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『栞里？』
「‥あ、佑亮」

そんなことがあった数日後、

マンションのエントランスで佑亮とばったり。

う、何か気まずい。

こんな瞬間も、他の人に見られたら‥。

「‥あ、夜ごはん買い忘れた！じゃあね、」
『えっ、ちょ、』

マンションを抜け出して、ヒールでダッシュする。

なにやってんだろうな‥私。

たくちゃんは気にしないで、というものの、
やっぱり私は無頓着すぎたらいけないんだなって。

#

「はあ‥。」

コンビニでアイスを買って帰る。

うまく、佑亮とも付き合いにくくなっちゃったな。

ていうか、さっきの私、感じ悪かったよなあ、、

あとで謝っとこうかな、

『栞里！』
「わ！？」

部屋のドアを開けようとしたとき、ドアの前で
体育座りをする佑亮が目に入って、
私は心底びっくりする。

「どしたの、中、入らないの、鍵無いの」
『違うよ』

体育座りをしたまま、佑亮が顔を上げる。

『栞里のこと、待ってたの』
「わたしですか」

こくりと頷いた佑亮の目は、何だか真剣だった。