お届けものです。 (ページ15)

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『栞里～！よく来たね！！！』

まるで田舎の孫が遊びに来たみたいな勢いで、
佑亮は私の頭をグシャグシャにする。

髪の毛せっかくちゃんとしてきたのに！
と思いつつ、ちょっと嬉しい。

ふと玄関の靴を見ると、２つしかなくて。

「あれ、みんな来てるわけじゃないんだ」
『うん、二人来てる。』

でも2人でも、緊張する。

『え～～！！！栞里ちゃん！こんにちは、ユーキです、よろしくね！』

「あ、こんにちは、よろしくお願いします！」

ユーキさんはミルクティー色の髪を揺らして、笑う。

『イメージカラーは赤でね、徳島の出身なの！』

昔から友達みたいに、私に親しくしてくれて、
私はホッとする。

昨日のDVDで観たばっかりだから、
何か変な気分だ。

佑亮の部屋は、まだ引っ越してきたばっかりだから
ほとんど何にも無くて、
まだ段ボールも何箱か置いてある。

ん？

部屋に居たのは、ユーキさんだけで。
あれ、もう一人、居るはずだよね？

「あれ、ユーキさん以外には‥？」

そう言ってもう既にユーキさんの携帯を覗き込みながらやんややんやしてる佑亮に話しかけると。

「お、栞里じゃん」

そんな声が後ろから聞こえた。