34.゜ ページ34
…
雄大くんがうるさいから。
里紗をうちのお店に誘った。
…いや、俺が連れてきたかったんじゃなくて、
雄大くんがうるさかったからだから、ね?
最近バタバタしていて里紗に会えていなかったから。
久しぶりに会った里紗が余計に愛しい。
雄大くんと徹くんと話している姿を見たら、
めちゃめちゃモヤモヤしたけど。
髪を触るのも、マッサージで肩に触れるのも、
いちいちソワソワするから、なんか俺も緊張すんじゃん。
…
とかなんとか、思ってたけれど。
『…可愛い』
「へ?」
鏡の前、鏡越しに里紗と目が合った。
思わず俺の口からこぼれた言葉に、
驚いた顔をして、少しだけはにかむから。
そんな所も、可愛すぎか。
少しだけ、髪を切って、トリートメントをした。
元々綺麗な髪の毛だったけど、
もっともっと、綺麗になっていて、満足。
『里紗ちゃん、可愛くなったね〜!』
通りがかった徹くんが、さらっとそんな風に言って、
里紗の髪に触れる。
『…前から可愛いですよ、里紗は』
思わずむっとして飛び出た言葉。
『美容師がそんな風に言ったらダメじゃん!笑』
「はやちゃん何言っちゃってんの!」
だって。ね。
本当にそうだから。
…
「はやちゃん、ありがとう!」
『いいえ、こちらこそ。笑』
俺もこの後予約が入ってるから、
里紗と一緒に帰れないのが悔しいけれど。
そんなキラキラの笑顔で言われたら、
俺も単純だから美容師やってて良かった〜なんて思う。
…
『里紗ちゃん、めちゃめちゃ可愛いじゃん…』
『そりゃー颯も夢中になるわな。(笑)』
『2人とも、うるさいです。』
その髪に触れるのはこの先もずっと、
俺だけがいいんだけど。
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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
。 - すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時