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…
「…ん、あ、あれ?」
目が覚めたら、見慣れない景色がぼんやり広がって。
そっか私、大輝の家で寝ちゃってたのか、、
ぼーっとする体を起こせば、そこはベッドの上で。
あれ、私ソファーで寝てなかったっけ、
「ていうか、今何時…」
ベッドサイドにあるデジタル時計を見れば、
はっきりと映る、AM2:00の文字。
「寝すぎた…」
もちろん、終電なんかもう無くて。
今からタクシーで帰るのもちょっとめんどくさい。
…ていうか、大輝どこ。
ベッドを降りて、リビングらしきところへ向かえば、
ソファーから、黒髪が少しだけ見えた。
「…寝てる」
こっそり、覗き込めば。
スヤスヤ、寝息を立てていた。
疲れてる、って言ってたもんなあ…。
いくら私がワインに酔って寝ぼけていたとはいえ。
自分から人の家のベッドに寝るわけも無いし。
きっと大輝が、運んでくれたんだろう。
そう考えたら、何か恥ずかしくて。
それと同時に申し訳無さが襲う。
借り、また作っちゃったな。
「どうするか…」
洗い物とか、したいけど、
水の音で起きちゃいそうだし。
そもそも、勝手に水道使うのもなあ。
ちらり、またその顔を見れば。
気持ちよさそうに眠ってるから。
うん、そっとしておこう。
大輝の寝ているソファーに寄り掛かって、
ちらり、薄暗い部屋でiPhoneを取り出せば。
ムラタさん今日は頼んじゃってごめんね!ちゃんと帰れた?お持ち帰りされてない?わら
ムラタさんちょっと待って、ほんまにお持ち帰りされとるん!?大輝くんもLINE返さへんし…!!
「ちょ…」
想太くんからの怒涛のLINE攻撃に、笑うしかない。
「寝てた、って返しとくか…」
そんな風に呟いた独り言のあと。
『ん〜、誰、想太?』
「…っひゃ」
後ろからそんな声が聞こえて、思わず肩を揺らす。
振り返って顔を見ようとすれば、
「ちょ、大輝…?起きたの?」
『うん、起きた』
起きたのは良いけど。寧ろ有難いけど。
私の首に腕を回すのは、やめてほしいんですが。
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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
。 - すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時