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44. ページ44

「…ん」

目が覚めて。
ベッドサイドのデジタル時計は夕方の5時を表示している。

それと同時に感じた温もり。
ちらり、視線を動かせばはやちゃんが
ベッド脇で私の手を握りながら眠っていて。

綺麗な寝顔を見つめる。
栗色のふわふわな髪の毛に、空いている手で触れてみた。

さっきの言葉に、胸が詰まる。
こんなに鮮明に覚えているから、
多分夢とかそんなんじゃなくて。

からかっただけ?それとも?

「分かんない…」

『里紗』

「っえ、起きてたの」

寝ていると思ったその姿から、声が聞こえたから、
驚いて手を引っ込めた。

『触られてたら起きちゃった。変態なの?笑』

「ちが…」

ふふ、と笑うはやちゃんは余裕そう。

こっそり触ってたつもりだったのに、
恥ずかしくて顔がかーっと熱くなるのが分かる。

『熱、大丈夫?』

「測ってないけど、さっきよりはしんどくないかも…」

『良かった。お水持ってくるね、その間に測ってて。』

キッチンへと向かうはやちゃんの後ろ姿を見ながら、
ぼーっと体温計で熱を測る。

ずっと繋いでいた手が離れて、何だか寂しい。

ピピピ、という音とともに表示された体温。

「はやちゃん、熱下がった!36.7℃!」

『ほんと??まだ微熱だけど良かった!』

ふわりと笑うはやちゃんに、
私もつられてふふ、と顔が緩む。

「ありがとう、はやちゃんのおかげだよ、」

『俺は別に何にも。笑』

「今度、お礼させて!何でもする!」

『お礼かあ……んー、お礼はいいから、』

考える素振りをしたはやちゃんが、じっとこっちを見た。

『さっきみたいに、撫でて』

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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
- すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時

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