目の当たりにする ページ34
あ〜らら可哀想に。すっごく怖がってるじゃんよ。へっぴり腰で前を歩く銀狼くん。先ほどまでは一番後ろを歩いていたが、コハクちゃんが代わりにやるから槍を貸せと言うと頑なに離そうとせず、渋々先頭でセンサーをしている。
すると、突然銀狼くんが立ち止まった。あぁ・・・思ったよりも早かったな。
「クロム、千空、コハクちゃん、Aちゃん」
「・・・着いたぜ千空」
「あ”ー案の定、見つけたぞ。最難関素材の源泉だ!!」
「何を採りに来たのか知らない私ですら、ここがゴールということだけは分かる。それほどまでに___神々しく、美しいエメラルドグリーンの泉だ・・・!!」
「・・・帰りたいなぁ」
銀狼くんなんか鼻水たらしながら目ぇキラキラさせて・・・。待って、確かここから数分しないうちに銀狼くんは硫酸湖に行くんだったよね・・・!?
銀狼くんの槍をよく見ればまさに先端が黒くなる瞬間だった。私は思わず駆け出してしまった。
「待っ
「戻れ銀狼ー!!!」
っ・・・!」
途中で遮られてしまったがそんなことはどうでもいい。カラスが硫化水素にあてられて硫酸湖に落下する。銀狼くんを戻そうと硫化水素ギリギリまで来ていたので、その飛沫が腕に少しかかってしまった。
「う”っ・・・!!!」
「A!?」
すぐに後ろに飛び退き、持ってきていた普通サイズの水筒と、追加の水が入った大きいめサイズの水筒の水で洗い流す。ピリピリと腕に染みて痛かったが、そんなことも気にしてられない。
「大丈夫か!?」
「だっ・・・いじょうぶと言いたいけど、川じゃないからね・・・! 水に限界がきちゃ、うよ・・・!!」
そうして私たちは命からがら村に帰ろうと歩き出した。途中で川にも寄って。硫酸の事を説明すれば、当然クロムくんが質問をする。
「その硫酸っつうの抜きじゃ、ルリの万能薬は作れねぇのかよ?」
「残念ながら無理だね」
「そもそも硫酸源確保しねえと今後の化学もどん詰まりだ」
銀狼くんは黒くなった槍を見て震えている。そしてガラス瓶を大量に持ったコハクちゃんが一人で汲みに行こうとする。
「やはり強行突破で汲むしかないな。姉者を救うためなら命などいくらでも賭ける!私のスピードならば___」
そこまで言いかけたコハクちゃんを千空くんは引き止める。
「・・・俺らの時代の話だが、似たような硫酸エリアを調査に出た一団がいてな」
176人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Dr.STONE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宝石屋 - 咲夜さん» コメントありがとうございます!もう少ししたら環境が安定しそうなので再更新まで暫くお待ちください(*’▽'*) (2022年4月6日 9時) (レス) @page38 id: 89662b225e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 素敵な作品でした!更新楽しみにしております(*^^*) (2022年4月4日 20時) (レス) @page38 id: 9fffeb9d0d (このIDを非表示/違反報告)
宝石屋 - 五月雨のさみさん» コメントありがとうございます!とても励みになります・・・!更新まで暫くお待ちください(*´▽`*) (2022年4月3日 21時) (レス) @page38 id: a5eac6b5c5 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨のさみ(プロフ) - ヾ(>y<;)ノうわぁぁ とても素敵な作品でした!続きをお待ちしてます(*´ᵕ`*) (2022年2月6日 19時) (レス) id: 1f0811c286 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宝石屋 | 作成日時:2021年9月29日 14時