《発端なんてそんなもん》 ページ4
「戦…争…?」
フランシスはあぁと頷き、説明を始めた。
「ローデリヒのとこの事件は知ってるだろ?」
もちろん知っている。つい最近のことだし、一応自分のことでもあるから…
オーストリア皇太夫妻がセルビア人によって暗殺されてしまったのだ。
どうしてそんなことが起きちゃうんだろうって…何度思ったことか…
でも、今の人々は昔とは違う。欲という感情がどんどん高まっている。
それで意見の食い違いがあったり、正義が違ってきちゃったり…
それはまぁしょうがないことなのかなって思うけど…
「そのことなんだが…ローデリヒのやつ、そりゃ怒るよな…それに加え、ルートとかフェリシアーノがアイツと同盟を組んだ。…あとはわかるだろ?」
戦争の前兆か…
「止めることはできないの…?」
恐る恐る聞いてみる。まぁ、期待はしてない。もし、最善策があるなら、今頃ヒーローと名乗るアルフレッドが黙ってないだろう…
案の定、彼は首を横に振った。
「はぁー…」
思わず大きなため息を吐いてしまった。朝から最悪な気分…
フランシスは申し訳なさそうな顔をする。別に彼が悪い訳じゃ無いんだけどねぇ…
ま、私も説得しに行くか…
戦争なんて…今までもあったけど、本当にたまったもんじゃない。頭痛、腹痛、恐怖心、その他もろもろ全部私に降りかかってくるから…
本当に、やめてほしい。
…別に私が大変だからやめてほしいってことじゃないよ?…それもそうだけど…それよりも…
私の家族が傷付け合うのを見てられない…
「じゃあ、俺の用事はそれだけだよ。朝からお邪魔してごめんね?」
彼はそう言って立ち上がった。
「見送るよ。」
私はだんだんと遠ざかっていく彼の背中を見てふと思う。彼はこの件についてどう思っているのだろうか…
彼もまた、戦争に加わってしまうのだろうか…
彼、フランシスは確か、ルートヴィッヒと対立していたはず…
「嫌だよ…」
絶対に…絶対に止めなくちゃ…
戦争なんて、私が許さない。
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紀田日和(プロフ) - TATさん» コメントありがとうございます!続編にも行きましたので、これからもよろしくお願いします! (2016年3月21日 21時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
TAT(プロフ) - 話が素敵でみはいってしまうほどいい話なので頑張ってください!!(^▽^) (2016年3月5日 22時) (レス) id: 9358c251dd (このIDを非表示/違反報告)
ふにゃこ(プロフ) - 最初は設定に驚きつつ読んでいましたが、気付ば一気読みしていました!今後がどうなるのかすごく楽しみです!!このコメを見ている頃にはもう終わっているのかもしれませんが、テスト、頑張って下さい。 (2016年2月18日 0時) (レス) id: a9be79f543 (このIDを非表示/違反報告)
紀田日和 - 亜里沙さん» 読んでくださり、本当にありがとうございます!飽き性な私なのでもしかしたら…いや、考えたくはないですが、続かないかm((((…いえ!そんなことはしません!!絶対に完結させますので、ぜひこれからもよろしくお願いします! (2016年2月11日 0時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
亜里沙(プロフ) - 読んでいくうちに泣いてしまいました。(本当です)その後に起きる次の大きな戦争まで考えたらつい…。いきなりこんなコメしてすいません。これからも楽しみにしています (2016年2月10日 19時) (レス) id: 289ef2f364 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ