【APH】世界が流した涙 １

《私の太陽》 ページ26

「その話は、ロヴィとかフランシスから聞いとったで…」



私は今までの経緯をアントーニョに話した。彼は他の国から聞いていたらしい。



「そっか…」




なかなか言い出せない。“あなたはどう思ってるの？”って。



もし、賛成されたら今度こそ立ち直れそうにない。今まで訪れてきた国はみんなどちらかに付いている。




「大丈夫やで。心配せんでも…俺は中立やから。」



彼は落ち着いたトーンで私を慰めるかのようにそう告げた。



良かった…また、アーサーと同じように航海時代の時のように暴れまくる…という心配はなさそうだ。




「そっか…良かった…」




安心したら涙が出てきた。あれ？私って…こんなに涙もろかったっけ…？




「だいぶ、ストレスなんかも溜まっとるんやろ？…俺は借金返さなあかんからそんな暇やないけど…いつでもここに来てええで〜。ここは太陽の国やからな！平和でええねん。」



彼の輝いた笑顔が更に安心させられた。本当に太陽の沈まない国ね…



「ありがと…！」



彼は何かに例えると、やっぱり太陽と答えたくなる。自称ではない。私が認めるのだから公認なのだ。




今まで戦争を何度も体験してきた彼だからこそ、きっと平和の良さを理解しているのだろう。



戦争のたびにボロボロになっていくあなたを見て、いつも泣きそうになっていた…



けれど、あなたはいつも大丈夫やって…笑顔で私の頭を撫でてくれた…



きっと、彼は私の…地球みんなの太陽なんだ。



「ほんで、これからどないするん？」



「バッシュの所に寄ってみようかな…あ、その後に北欧のみんなに会いに行って…イヴァンと所、耀、菊…の辺りかな。心配だし…」



イヴァン、菊、耀の３国の間では、日清戦争、日露戦争など、様々なことが起きていた。きっと、便乗してこの次に起こるであろう戦争にも巻き込まれてしまう…



(特に、菊はアーサーと同盟を組んでるから…きっと、参戦するわね…)



一番心配なのが菊。彼は最近ヨーロッパの列強と呼ばれる国々に並んできた、かなりの大国だ。



しかし、井の中の蛙大海を知らず。やはり、まだ世界に出てきたばかりできっと、なにも知らないだろう…



それで国が滅んでしまう恐れだってある。




まぁ、彼に限ってそんなことは無いとは思うが…



(その前に私が助けるから。)

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