《心配事なんていらない》 ページ23
「トランプやらないかい?」
アルフレッドの一言で私達3人はトランプを広げた。こんな風に遊ぶなんて、何年ぶりだろうか…
暖炉の火がパチパチッと心地のよい音を響かせている。
トランプでは王道にババ抜きをすることになった。
「よーし、俺から行くぞー!俺がアーサーのを引いて、アーサーがAのを引いて、Aが俺のを引くんだぞ!OKだな!!」
うん、大丈夫。「勝手に決めんなよ…」とは言いつつも、アーサーも頷く。
まずはアルフレッドがアーサーのトランプを引く。ちなみに、私はババを持っていないので、彼らのどちらかが持っているはずだ。
アルフレッドは表情に出て分かりやすいけど…
「うー…君が考えてること全然わからないんだぞー!!」
「お前もまだまだだな。」
アーサーは意味ありげな笑みを浮かべる。アルフレッドが迷っているのを見て、少し自慢げな顔になる。
ようやく1枚を決めたらしく、えぃっ!と引いた。
すると彼は愕然とした顔をし、急いで自分の持っているカードをシャッフルする。
アーサーはニヤッとした。
なるほど。アーサーが持ってたけど、初っぱなからアルフレッドがの手に渡ったのだろう。
「じゃ、次は俺の番だな。」
そう言って、迷うことなく私の持っているカードの内、1枚をスッと取る。
「よし、揃った。」
彼は2枚をトラッシュコーナーへパッと捨てるように払った。その様子を悔しそうな顔で見つめるアルフレッド。
なんだか…こうして見ると、やっぱりこの二人は兄弟だなって思う。
独立戦争が起こる前、アーサー、あなたは私に相談してきたよね?
嫌われたかも…って。
全然そんなことないと思うわ。ほら、今だって二人とも楽しそう…
「A、君の番なんだぞ!!」
「あ、うん。」
アルフレッドに声をかけられ、我に帰った私はとりあえず1枚引く。
大丈夫だ。まだババは来ていない。
こうしてババ抜きは順調に進んでいき、最終的には一番抜けがやはりアーサー。二番手は私。そして…
「悔しいんだぞー!!もう一回やろう!!」
「えー?じゃあ、あと一回ね?」
こんな楽しい時間が続けば良いのにな…
《気を付けなさい》→←番外編《おめでとう2016年version》
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紀田日和(プロフ) - TATさん» コメントありがとうございます!続編にも行きましたので、これからもよろしくお願いします! (2016年3月21日 21時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
TAT(プロフ) - 話が素敵でみはいってしまうほどいい話なので頑張ってください!!(^▽^) (2016年3月5日 22時) (レス) id: 9358c251dd (このIDを非表示/違反報告)
ふにゃこ(プロフ) - 最初は設定に驚きつつ読んでいましたが、気付ば一気読みしていました!今後がどうなるのかすごく楽しみです!!このコメを見ている頃にはもう終わっているのかもしれませんが、テスト、頑張って下さい。 (2016年2月18日 0時) (レス) id: a9be79f543 (このIDを非表示/違反報告)
紀田日和 - 亜里沙さん» 読んでくださり、本当にありがとうございます!飽き性な私なのでもしかしたら…いや、考えたくはないですが、続かないかm((((…いえ!そんなことはしません!!絶対に完結させますので、ぜひこれからもよろしくお願いします! (2016年2月11日 0時) (レス) id: 588f4773fd (このIDを非表示/違反報告)
亜里沙(プロフ) - 読んでいくうちに泣いてしまいました。(本当です)その後に起きる次の大きな戦争まで考えたらつい…。いきなりこんなコメしてすいません。これからも楽しみにしています (2016年2月10日 19時) (レス) id: 289ef2f364 (このIDを非表示/違反報告)
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