溺れた海賊旗③【ONE PIECE 短編集】 (ページ9)

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キャプテン、好きです。
あなたが、他の誰よりも。

だから、結婚してほしいの。

「A…」

心地良い低い声が心臓に響いて目を開ける。

額に汗を滲ませながら私の顔を覗き込む愛おしい人。
…結婚したい。

「…っげほ、」

「よかった…」

返事の代わりに咳をした私を見てホッとしたらしい。
ベットの隣の椅子に腰を下ろしたキャプテン。

「…馬鹿なことすんじゃねェ」

「ぎゃぷでん…」

どうやら喉から血を吐いたらしい。
口の中が血の味…うえっ。

「…お前がいなくなるかと思った」

少し震えた声でそう言ったキャプテン。

「俺が、そばにいればこんな事にならなかった」

「…っキャプテン！い"ッ！！」

勢いよく起き上がったせいで腹が裂けそう。
痛すぎる、死ぬ…

「…大人しくできねェのかよ」

「キャプテンのせいじゃないです！」

でも大事なのは私よりキャプテンの心。
キャプテンの心の安全は私が守る。

「謝るなら結婚してください！」

とか思いつつちゃっかりプロポーズ。
キャプテンの白衣がかっこよすぎて思わず…

「俺は謝ってねェ」

「たしかに」

勘違いでしたね、はっずかしい。

お腹を押さえながら話す私を見てキャプテンは笑った。はああん、笑ってくれた。

「私はあなたの笑顔が見れたら幸せです、振られても」

キャプテンは立ち上がると私の肩を掴んでそのままベットに押し倒した。

…ま、まさか！

「寝てろ」

「…そっち」

襲われるかと思って期待した。(やめろ

キャプテンの顔を見ると胸がきゅうっと苦しくなる。
ねえ、キャプテン。

"だからお前の恋全力で応援する"

「…キャプテンは私の事、好きじゃないですか」

下から見てもイケメンなキャプテンやばい。

私はペンギン達に言ったから。
キャプテンにプロポーズするって。

「なあ、お前。勘違いしてるだろ」

キャプテンの鋭い目が私を捉える。