溺れた海賊旗③【ONE PIECE 短編集】 (ページ24)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:54,231 hit

世界一可愛い彼女【サボ】ページ24

サボside

人に言えば"ただの自慢"としか言われないと思う。
俺の彼女は世界一可愛い。

顔も俺から見れば世界一。
世間一般的にも可愛いほうだとは思うけど。

「～～ってことがあって」

仲間と話すその姿を見る。
任務に対して熱心に取り組むA。

「何してるの、サボくん」

「ああ、コアラか」

「あー、またAちゃん眺めてるんだ」

そう言いながらニヤニヤするコアラに"まあな"とだけ返した。

「嫉妬でもしてるの？Aちゃん可愛いから仲間たちの中でも人気だよ」

「まじかよ、それ」

「取られちゃうかもね～」

クスクス笑うコアラには目を向けずAを眺める。
アイツ、人気なのか。

「まあでも、アイツが好きなのは俺だから」

「まーた惚気られた」

「お前から持ちかけた話だろ」

つまんなさそうな顔をしながら去っていったコアラ。

しばらくAを見てると話が終わったらしい。
キョロキョロ周りを見回して俺を見つけて止まった。

「サボ！」

俺を見つけるとパァッと顔を明るくして満面の笑みで走ってくる。

「わーわー！サボだ！」

嬉しそうに抱きついてくるその小さな体を思い切り抱きしめた。

「ただいま」

「おかえり！」

3日振りのAの声に匂いに体温。
全てが愛おしい。

「ふふ、会いたかった～～」

「遅くなって悪い」

「いいよ、無事なら」

俺の彼女の一番可愛い所はずっと俺を待ってくれる所。

それから、俺を見つけると嬉しそうに笑う所。

「あー、幸せ！会いたかった！」

「はは、俺も会いたかった」

もう付き合って何年かになる。
それでもいつもこうして想いを伝えてくれる彼女が俺の宝物だ。