溺れた海賊旗③【ONE PIECE 短編集】 (ページ13)

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「至急、総長たちの元へ向かえとの事です！！」

「分かった」

サボたちが行った次の日。
突然私たちに入った任務。

慌てて船に乗り込んで同じ島へ向かう。

今朝、電伝虫が鳴った。
突然出会した海賊相手にほぼ壊滅状態だと。

「まさか、総長がいながらそんな事になるとは…」

仲間の不安な声。
心臓の音がうるさい。

怖い、お願いだから誰も死なないで…

祈るような気持ちで海を見つめた。

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「これは…！」

島に着くと仲間たちが倒れ込んでいた。
相手は有名な賞金首。

「しっかりして…！！」

「…あ…う…」

抱き上げて声をかける。
喋れないほどの怪我…

「治療班をすぐ呼んできて！海賊はどこに潜んでるか分からないから怪我人は船へ運んで！」

仲間にそう言った。
私は今すぐ、サボを探したい。

だけど私情で動けば仲間の命は無い。

「救助班と医療班はここに残って。残りは私と一緒に街へ向おう」

「「はい！！」」

お願い、生きていて。サボ。
他に何もいらないから。

慌てる気持ちが足を動かした。

「はあ、はあっ、！」

走っただけで息が止まりそう。
街の広場に出た時、私の目に映った。

「…さ、ぼ」

血だらけのサボ。
海賊の頭と戦ってる。

近くに倒れてるのはコアラとハック。

全身の神経が強張った。

「…っ！！」

出血が多すぎるサボがフラフラし始めた。
走り出した私が見たのはサボの後ろから海賊の部下がピストルの引き金を引いた姿。

あの状態じゃ避けられない。

「…っサボ！！」

考えるより先に体が動いた。
バンッバンッと2発聞こえた音。

腹から流れる血。

「…Aさん！」

仲間の声にサボが振り返った。

…ああ、そんな顔しないで。