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「俺がいるよ」
そう言ったロボットのエース。
優しく私の頰に触れて涙を拭った。
ああ、私…泣いてたんだ。
「…うん。そうだよね」
____『なあ、A。一緒に来ねェか』
____『ふふ、無理だよ。私に海賊は出来ない』
____『…そっか。じゃあ俺の事、待っとけよ』
____『他の人なんて興味ないよ』
今はもう霧がかかったような記憶。
儚くて手を伸ばしても掴めない。
「泣くなよ」
「ん…っ」
私を抱きしめてそう言った。
ねえ、待っててって言ったじゃん。
私は今でも待ってるのに。
「A」
壊れたの、私の心。
もうどうしようもないくらいに。
「ねえ、キスして」
「…ん」
エースの首に腕を回してキスを強請る。
人間の皮膚を再現されたロボット。
柔らかくて暖かくて、悲しくなった。
「お願い、もうひとりにしないで…」
「うん。うん…大丈夫」
私の体を包み込むようにしてそう言ったロボット。
ねえ、エース。わかってる?
あなたのせいだよ。
置いていくなんて酷いじゃない。
「泣くなよ」
涙を拭いて顔を上げるとそう言われた。
「え?」
「…」
何も言わなくなったかと思うと一瞬、目が暗くなる。
「エース…?」
「…あ、どうした?」
…戻った?
何だったんだろう、今一瞬…変だった。
「…帰ろうか」
不思議に思いながらも手を取って来た道を帰った。
「晩ご飯は俺が作るよ」
「ありがとう」
お言葉に甘えて椅子に座って待つ。
写真立ての中のエースは笑顔。
「会いたいなあ、エース」
ただそれだけ。
叶うなら、死んでもいい。
「出来た」
そう言ってもってきたエース。
受け取って食べ始める。
「美味しい」
「それは良かった」
そう言いながらキッチンに向かうエース。
「晩ご飯は俺が作るよ」
「…え?」
どうしたの?
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saki(プロフ) - ちいず 。さん» ありがとうございます! (2020年8月26日 22時) (レス) id: aca7ca3bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちいず 。 - sakiさん» わかりました!少しお待ちください(^^) (2020年8月26日 21時) (レス) id: 1eb0768316 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - ちいず 。さん» はい! (2020年8月26日 20時) (レス) id: aca7ca3bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちいず 。 - sakiさん» わかりました(^^)全員を同じ物語に登場させるという事でよろしいでしょうか? (2020年8月26日 20時) (レス) id: 1eb0768316 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - ちいず 。さん» マルコ・エース・サッチ・ハルタ・イゾウ・シャンクス全員で甘々な感じでお願いします。何人かにしぼってもらっても構いません。 (2020年8月26日 16時) (レス) id: aca7ca3bb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちいず 。 | 作成日時:2020年8月10日 23時