〇 tsurime ページ38
お泊まりしたその日、たくさんAさんと話して、距離が縮まる度に、
もっと仲良くしたい。
もっとAさんのことを知りたい。
もっと俺のことを知って欲しい。
…もっと触れてみたい。
そんな気持ちは加速していく。
けれど、俺の気持ちを邪魔するのはえいちゃんのAさんに対する好意。
モロにAさんへの好意を丸出しにするえいちゃん。
ケータイを見ながらニヤニヤしているそれは、決まってAさんへのLINEだったし、
もはや日課のように20:00になると机に座ってパソコンを開いてAさんの動画を見るし、
その顔と言ったら、好きな人を見る顔のそれでしかない。
Aさんに直接会った時なんかもっと優しい顔をする。
…俺なんかより、えいちゃんの方がずっと、Aさんのことをよく知ってるし、その分好きなんだろうな。
そんなえいちゃんにそう思ったら、悔しいような、でも、嬉しいような複雑な気持ちになった。
＿＿＿＿けれど、2ヶ月後の今だから言えることは、
悔しいっていう言葉なんかじゃ収まらないくらい、嬉しいっていうこと。
純粋に恋をして、一人の人に夢中になっているえいちゃんを見れることが嬉しい。
今日も、ニヤニヤしながら、そしてソワソワしながらケータイを見る。
そんな様子に呆れるそらとりっくん。
「そんなにAちゃんに会えることが嬉しいの？」
「別に〜」
俺の言葉にそう返すも、溺愛して止まない彼女に一ヵ月ぶりに会えるんだ。
嬉しくてたまらないに決まっているえいちゃんは、ちゃんと今日も嬉しさを隠しきれていない。
「どうせ帰ってこないんでしょ？夜ご飯三人分でいいよね」
「うん、いいよ」
「…ちょっと一旦否定してくれてもよくない！？」
「だって帰ってくるつもりないもん」
りっくんとえいちゃんが喧嘩を始めて、そらが落ち着け落ち着けと止めに入る。
「なに？そらは俺の味方してくれるの？」
「…んなわけねーだろ！！」
止めに入ったのかと思ったから加担し始めて、どうすればいいのか分からなくて慌てる俺。
結局、えいちゃんは逃げるように家を飛び出して帰ってこなかった。
「えいちゃん前世でどんだけ徳を積んだの？俺今どんだけ積んだら来世付き合える？」
割とガチで言うりっくん。
「死にそうな人を助けたんだよきっと」
「そんなもんならいくらでもしてる」
俺の答えに即答したそら。
3人の夜が少しずつ増えていくのを実感した日だった。
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02番(プロフ) - Almaさん» ありがとうございます！嬉しいです！ (2019年4月1日 21時) (
レス) id: 23e627fa3b (このIDを非表示/違反報告)
Alma(プロフ) - めっちゃ良いです！！大好きです！！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: 1946b84f54 (このIDを非表示/違反報告)
02番(プロフ) - こうめさん» 光栄過ぎます……ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月29日 8時) (レス) id: 71e1527443 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ(プロフ) - 私、このお話すごい好きです、、今読んでいる中で一番です（ ; ; ）更新楽しみにしています。頑張ってください！！ (2019年3月28日 4時) (レス) id: b5712753e7 (このIDを非表示/違反報告)
02番(プロフ) - Le mont saint michelさん» ありがとうございます！楽しみにしていてください！ (2019年3月27日 18時) (レス) id: 71e1527443 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：02番 | 作成日時：2019年3月9日 17時
