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「Aちゃん、相変わらず採血とか嫌いだよね。」
「えー、だって痛いじゃん！」
「そう？」
隣のベッドのさくらちゃんは、私と同じ3年生なのに大人っぽい。
タイプはちがうけど、とても仲良しだ。
そんな話をしていたら、慶ちゃんが朝ごはんを持ってきた。
慶ちゃんも、私の担当の看護師さんだ。
「あれ？てごにゃんは？」
いつも、朝ごはんまでは夜の人のお仕事なのに。
「ああ、早く来たからお手伝いしてるの。」
「パシリだ！」
「パシリじゃないよ笑」
えー、こういうのパシリって言うって、テレビで言ってたのに。
「はい、二人とも残さず食べてね。」
うわー、今日の朝ごはんのサラダ、ニンジン入ってるよ…
朝から嫌だなー。
それに、朝ってやっぱりお腹が空かない。
「いただきまーす。」
さくらちゃんは、もう食べ始めている。
「はい、Aもお箸持って。」
慶ちゃんに箸を持たされると、私もチビチビと食べ始めた。
それを見た慶ちゃんは、部屋を出ていった。
「あーあ、朝からニンジンなんて、ツイてないなー。」
「Aちゃん、ニンジン苦手だもんね。」
チビチビとご飯を食べ進めて、半分くらい食べたところで、ごちそうさまをした。
「よし、こんだけ食べればじょーできだよね！」
「どこが上出来なの？」
急に声が聞こえてきて、びっくりして後ろを振り返る。
「まっすー！」
まっすーも私の担当の看護師さんで、食べ物のことになるとうるさいんだ。
「ちゃんと食べないと、大きくなれないよ。
それとも、食欲ないの？」
首を振ると、まっすーは置いてあった箸を持ってご飯を掴み、私の口元に持ってきた。
結局、まっすーにご飯を完食させられちゃった。
「じゃあ、後はお薬ね。」
まっすーにも手伝ってもらって、粉薬まで頑張って飲むと、まっすーは頭を撫でて褒めてくれた。
薬の時間は最悪だけど、この時間は大好きだ。
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作者名：アキ | 作成日時：2018年11月22日 9時
