検索窓
今日:5 hit、昨日:40 hit、合計:12,898 hit

中山道さん6 ページ9



 それ以後も、東海道は廃線組を注視していた。
 驚いたのは、彼等の力だ。
 彼等はどの競技も上位に入るのが当たり前で、優秀な成績を収め
ていた。チームワークも最高で、楽しそうにしている。

「……やっぱり、高崎の言う通り、あの子達、可笑しいよ」

 宇都宮は低い声を這わせた。
 中山道以外に向けられるその視線は冷ややかで、何かを探すよう
に静かに動いていた。東海道はそれを知りながら、静かに廃線達に
視線を流した。
 彼等は絶対に、彼等のまとまりから離れない。
 必ず集団行動をしていて、廃線達の誰も出ることがない場合は静
かに過ごしていた。
 元所属していた場所を応援するでもなく、静かに眺めている。

「気になることがあったんだけど」

 静かに鋭い視線を廃線達に投げていた東海道と宇都宮に声をかけ
たのは京浜東北だった。彼は、一気に向いた鋭い視線に一瞬たじろ
いだが口を開く。

「えーと、ほら、幌内線だっけ? 彼とぶつかった時、すごく慌て
て謝られたんだけどさ、良いよって言ったらお礼まで言われて意味
が分からないんだけど」

 どういうことだと思う? 京浜東北は首を傾げた。
 それに東海道は驚いて彼等の方に視線を移す。
 彼等はやはり、一つにまとまっていて集団から離れない。その中
心にいるのが中山道で、東海道は不愉快になってくる。中山道が自
分達以外の者を見ているのがいただけない。自身の隣にいる宇都宮
も同じだと言うのを何となく感じる。
 京浜東北はそれに表情を引き攣らせたが、それ以上何も言わなか
った。

中山道さん7→←中山道さん5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:青春鉄道 , 二次創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

聖藍萌愛亜(プロフ) - ぴよっちさん» わかりました!読み返しながら待ってます。 (2017年1月22日 18時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 聖藍萌愛亜さん» コメントありがとうございます。返信にお時間が経ってしまって申し訳ないです……。続きが気になると言っていただけてとても嬉しいです!修正してからもう一度更新していこうと考えているので、よろしくお願いいたします (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 彩楓さん» コメントありがとうございます。お時間が経ってからの返信ご容赦ください。すごいと言っていただけてとても嬉しいです!修正して再び更新したいと思いますので、よろしくお願いいたします! (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
聖藍萌愛亜(プロフ) - 青春鉄道にハマってから時間があまり経っていませんが、大好きです!とても面白くて続きが気になります……!無理をしない程度に、更新頑張ってください!! (2017年1月21日 23時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - はじめまして!青春鉄道だいすきになってから4年が経とうとしてる彩楓です!凄い小説ですね!私も見習わなくちゃ!これからも頑張ってください!! (2016年12月28日 10時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴよっち | 作成日時:2016年1月10日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。