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中山道さん5 ページ8



 東海道は眉を寄せた。

 ――中山道の様子がおかしい。

 彼女と離されて100年以上、今まで大人しく彼女の様子を聞くだ
けにとどめてきていた。今回、この運動会を受けたのも廃線組が出
てくると聞いたからだ。廃線組に中山道がいるのかどうかは最早賭
けではあったが、コレに賭けるしかなかった。

「東海道」
「……あぁ。チャンスは今回しかねぇな。場所を突き止めてやる」

 東海道に声をかけてきた宇都宮は薄く笑っている。薄ら寒くなる
思いでJR線達はそれを見る。頼みの綱である高崎も彼等の円に交
じっていた。状況が読めない彼等は黙っているしかない。
 東海道はそれを知っていてなお、彼等と話すのを止めることはで
きなかった。

「……なぁ、おかしくねぇか?」

 高崎は首を傾げて東海道と宇都宮に言った。彼の視線は集まって
話している廃線達の方に向けられている。彼等は基本的に長ジャー
ジを着て、長ズボンを穿いている。そして、手には黒い手袋をして
大変暑そうだ。
 しかし、彼等はそれをまくろうともせずに、この暑い中を過ごし
ている。
 廃線の中には元国鉄、JRだけではないようで、東武、西武と話し
ている者もあった。しかし、彼等は決まって必要以上に近付かれる
と驚いて一歩退くのだ。

 ――そう、中山道と同じように

 理由は分からないが、彼等は自分達と一線を置きたがっている。
 現役と廃線という違いがあっても、自分達はそこまで気にしてい
ないし、馬鹿にするつもりもない。それを彼等が知らないと言うの
か。東海道は首を傾げながらも、開会式をするという声に従い在来
達を連れて向かう。

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設定タグ:青春鉄道 , 二次創作
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聖藍萌愛亜(プロフ) - ぴよっちさん» わかりました!読み返しながら待ってます。 (2017年1月22日 18時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 聖藍萌愛亜さん» コメントありがとうございます。返信にお時間が経ってしまって申し訳ないです……。続きが気になると言っていただけてとても嬉しいです!修正してからもう一度更新していこうと考えているので、よろしくお願いいたします (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 彩楓さん» コメントありがとうございます。お時間が経ってからの返信ご容赦ください。すごいと言っていただけてとても嬉しいです!修正して再び更新したいと思いますので、よろしくお願いいたします! (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
聖藍萌愛亜(プロフ) - 青春鉄道にハマってから時間があまり経っていませんが、大好きです!とても面白くて続きが気になります……!無理をしない程度に、更新頑張ってください!! (2017年1月21日 23時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - はじめまして!青春鉄道だいすきになってから4年が経とうとしてる彩楓です!凄い小説ですね!私も見習わなくちゃ!これからも頑張ってください!! (2016年12月28日 10時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよっち | 作成日時:2016年1月10日 2時

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