中山道さん３３ ページ36
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まるで、自分達だけが中山道の味方だと言わんばかりの彼に、篠
山鉄道は眉を寄せた。
「俺等だってあん人のお役に立ちたいですよ。でも、立てねぇんで
すよ、役に！ アンタ等に分かるかよ、俺等の気持ちなんて。俺等
だって好きで壊される中山道さんを見てんじゃないんですよ!!」
「壊されるだと!?」
「落ち着いて、高崎！ ――どういうことか聞いていいかな？」
篠山鉄道の言葉に、高崎線が身を乗り出して問いかけた。
ドンッと机を叩く。
それにビクッとしたのを目にとめたのか、東北本線が彼を強引に
座らせた。そして、彼が落ち着いたのを確認すると、こちらを見て
問う。
篠山鉄道は沈黙した。
これは話すわけにはいかない。話せない。もしかしたら、そこに
逃げ道があるかもしれない。可能性を、自分が潰すわけにはいかな
い。今まで、耐えてきたのだ。耐えれば、道は見える。
だから、それを、今、潰すわけにはいかない。
「――何でもありませんよ。衣食住は一応あるし、仕事もある。問
題ありません」
ニヘラと笑う。そうすることしか分からない。中山道に助けを求
めたい。ここは、ある種の敵陣だ。だから、純粋に怖いと思った。
この、現役路線達のテリトリーが。
「……そういうとこ、山陽さんに似てるな」
否、山陽さんが似ているのか。
淡々と呟かれた言葉に、篠山鉄道はピクッと肩を揺らした。声の
元――東海道本線を見る。何も言えない。しかし、ここで焦っては
いけない。そう思って深呼吸をした。ここで焦って中山道に、中山
道の計画に不利なことがあってはならない。
すべては、一回きりの計画のためだ。
大きく息を吸った。
「ま、そうでしょうな。あの人は俺の弟分なんですから。まぁ、国
鉄様を高々一地方私鉄のくせに弟分なんて烏滸がましいですけどね」
笑って言う篠山鉄道に、言葉を失くしたのは彼等の方だった。
彼等は、揃って「また来る」という言葉と元宇品線を残して去っ
ていった。恐らく、宇品は監視役だろうと思いながらも、「まぁ、い
いか」と笑う。
「……えぇんか？ 協力してもらえたかもしれんのに」
「いいんだ。動くまでは……。ここまで我慢してきたんだぜ？ 失
敗したくない」
そう言った篠山鉄道に宇品は苦笑して、それ以上何も言わない。
こちらの様子を見て、ニカッと笑って口を開いた。
「頼みがあるんだ」
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聖藍萌愛亜(プロフ) - ぴよっちさん» わかりました！読み返しながら待ってます。 (2017年1月22日 18時) (
レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 聖藍萌愛亜さん» コメントありがとうございます。返信にお時間が経ってしまって申し訳ないです……。続きが気になると言っていただけてとても嬉しいです！修正してからもう一度更新していこうと考えているので、よろしくお願いいたします (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 彩楓さん» コメントありがとうございます。お時間が経ってからの返信ご容赦ください。すごいと言っていただけてとても嬉しいです！修正して再び更新したいと思いますので、よろしくお願いいたします！ (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
聖藍萌愛亜(プロフ) - 青春鉄道にハマってから時間があまり経っていませんが、大好きです！とても面白くて続きが気になります……！無理をしない程度に、更新頑張ってください！！ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - はじめまして！青春鉄道だいすきになってから４年が経とうとしてる彩楓です！凄い小説ですね！私も見習わなくちゃ！これからも頑張ってください！！ (2016年12月28日 10時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴよっち | 作成日時：2016年1月10日 2時
