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中山道さん25 ページ28




 それはそれで恐ろしいな、と夷隅は遠い目をした。

 それに比べて、総武本線達、自分の兄貴分達は頭の面では優秀と
は言えないので安心できるなと何ともなしに思う。
 失礼なことを考えている夷隅の隣で、中山道は少しだけ思案気な
表情をしてから、夷隅を一瞥した。そして、一つ頷く。

「分かった。それと、それと、それ、あと、……彼なら連れて行ってもいいよ」

 中山道が指で指したのは、仲間の監視用に仲間に混ぜられた人間
達。そして、元篠山鉄道。廃線組の中でも古株だ。中山道がどうい
う意図で彼も連れてっても良いと言ったのか分からないが、元篠山
鉄道を連れていた幌内が、東海道本線に彼を渡すのを眺める。

「……よろしいので?」
「あぁ。篠山鉄道線は我々の不利な情報は喋るまい。それに、今日
の罰則に耐えられるとも思えん」

 足手纏いは減らすに限る。

 そう言った中山道に、夷隅は笑いかけた。やはり、ずっと監獄に
いて感覚が鈍っているのにもかかわらず、この人は優しい。

 篠山が高熱なのは知っていた。だから、運動会には参加をさせな
かった。
 参加したいと珍しく言い募った彼を、中山道が丸め込んだのだ。
 こんな風に残っている路線達が使われるのだと知っていれば、対
応を考えたのに、その隙を与えない姑息さ。

 夷隅は一つ大きく息を吸って吐き出した。
 自分達には、どうすることもできない。自分達は発言権のある現
役路線ではないのだから。東海道本線達が譲り受けた侵入者を連れ
ていくのを見えなくなるまで眺めていたのは、中山道が静かに彼等
を見ていたからだ。


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設定タグ:青春鉄道 , 二次創作
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聖藍萌愛亜(プロフ) - ぴよっちさん» わかりました!読み返しながら待ってます。 (2017年1月22日 18時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 聖藍萌愛亜さん» コメントありがとうございます。返信にお時間が経ってしまって申し訳ないです……。続きが気になると言っていただけてとても嬉しいです!修正してからもう一度更新していこうと考えているので、よろしくお願いいたします (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 彩楓さん» コメントありがとうございます。お時間が経ってからの返信ご容赦ください。すごいと言っていただけてとても嬉しいです!修正して再び更新したいと思いますので、よろしくお願いいたします! (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
聖藍萌愛亜(プロフ) - 青春鉄道にハマってから時間があまり経っていませんが、大好きです!とても面白くて続きが気になります……!無理をしない程度に、更新頑張ってください!! (2017年1月21日 23時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - はじめまして!青春鉄道だいすきになってから4年が経とうとしてる彩楓です!凄い小説ですね!私も見習わなくちゃ!これからも頑張ってください!! (2016年12月28日 10時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよっち | 作成日時:2016年1月10日 2時

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