黄金マンネ奮闘記【JK】 (ページ8)

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5分くらい経った頃だろうか、彼女の呼吸が整ってきてかろうじて会話ができるくらいになった。

『すみません、引き止めてしまって。』

申し訳なさそうに苦笑を漏らす彼女と初めて目が合う。

やっぱりすごく綺麗で、いえ、と小さく返事をすることしかできなかった。

『…もし間違っていたら申し訳ないのですが、防弾少年団のジョングクさん、ですか？』

恐る恐るそう尋ねてくれる彼女に、知ってくれていた喜びとか、名前を呼ばれた嬉しさとかで舞い上がってしまって声が裏返った。

今ならどんなハードな練習もこなせそうだ。

「あっ、そ、そうです！えっと、ご挨拶が遅れてしまってすみませんっ、防弾少年団のチョンジョングクです。」

『いえこちらこそ、ご迷惑をおかけしてしまいすみませんでした。

初めまして、ARCANAのSUIです。』

先ほどとは違いふわっと花が咲くように笑う彼女にボーッと見惚れた。

自分の声が裏返ったことなんて一瞬で忘れてしまった。

ARCANAの曲のコンセプトはかっこいい系が多くて、SUIさんもステージ上ではクールビューティーな雰囲気を醸し出している。まぁたまにめっちゃ可愛い曲もされているけれど。

だからこんなに柔らかく微笑む姿を、こんな間近で見せられると魅力的過ぎて頭が爆発しそうになった。

わぁ、世の中にこんなに綺麗な人がいるんだ、って、人の顔を見て美しさで感動したのはテヒョンイヒョン以来だ。

と、見惚れている場合ではなかった。

「…立てそうですか？」

俺もSUIさんもそろそろ控室に戻らないといけない。

体調がマシになったからと言って大丈夫なわけでないだろうけれど、きっと彼女は無理をしてでもステージに立つ人だ。

そうじゃなければ俺を引き止めたりしなかったと思う。

『うん、立たないといけないから。』

そう言って膝に手を置き、自分の力だけで立ち上がる。

隣の棚にも、差し出した俺の手にも掴まらずに。

『ジョングクさん、ありがとうございました。お互い、今日も頑張りましょうね。』

「はい、頑張りましょう！」

強気に笑う彼女に、俺も負けないように笑い返す。

「SUIさん先にどうぞ、僕は少し後に部屋を出ますね。」

『…わかりました、何から何までありがとうございます。』

2人で並んで歩いたら危ないから、という意図を察してくれたらしい。

今度は彼女がドアノブに手をかけた。

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