43 ページ45
・
これはずっと考えていたことだ。
彼女は客観的な歌詞がある方が面白いと言っていたし、それはそうだと思うんだけど。
主人公の気持ちが入った歌詞もあると、すっと気持ちが入りやすくなるんじゃないかって、ナムジュニヒョンとも話していた。
『…なるほど、確かにその方が視聴者の方も共感しやすいかもしれないですね。
今度都合が合う時に、歌詞を持って集まりましょうか？』
うんうんと頷く彼女からありがたい提案をしてもらった。
仕事関係なく嬉しいと思ってしまうのは許してほしい。
今日もすっごく楽しかったんだもん。
「はい！スケジュール確認して連絡しますね。」
また会えるんだって思ったら、明日からの仕事もめちゃめちゃ頑張れる気がしてきた。
本当に今ならなんでもできちゃう。
マネヒョンに確認のメールを入れて顔を上げると、目の前に座るSUIさんが楽しそうに笑っていた。
ぐっ可愛い、表情管理しっかりしなきゃ。
「どうかされました？」
平静を装いそう聞くと、
『あっ、すみません、少しほっとしてしまって。』
「え？」
そう言って目蓋を伏せ肩を竦める彼女に、よくわからなくて首を傾げた。
『ジョングクさんと2人で会うってなって、お仕事だからって思ってたんですけど、やっぱり緊張してしまっていたんです。』
ジッと見つめていると、ぱっちりと彼女と目があった。
『でも実際ちゃんとお話ししてみたら曲は良い感じになったし、何より楽しくて。
良かったなぁって安心しちゃいました。』
「…っ！」
少し照れたように笑う彼女を真正面で見てしまった。
完全にノックアウトである。
…やられた、反則だ。
無理、直視できない、無理です。
もうほんと、なんでこんな大きな爆弾落とすんだろうこの人。
勘弁してほしい表情管理とかできなくなるじゃん。
赤くなる頬とニヤける口元を必死で隠していると、SUIさんが「大丈夫ですか？」と心配そうに聞いてくれた。
あぁほんっと天然って怖い…。
あなたのせいですとは言えなくて、ぶんぶんと首を縦に振ることしかできなかった。
そんな俺をみてSUIさんはおかしそうに笑っていた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1083人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：をーみん | 作成日時：2021年5月4日 23時
